第30章 *出航ストラテジー*
ラギー『アズールくんのユニーク魔法、"黄金の契約書(イッツ・ア・ディール)"一度サインをした契約書は、何人たりとも傷つけることはできない』
レオナ『わざわざ何度も破れないところを見せびらかし無敵だと印象づけていたが..全てにおいて完全無欠な魔法なんかない。
状況から見て、VIPルームの中、あるいはお前が手にしているときだけ無敵効果が付与されてるんじゃないかと予想していたが..
俺の魔法で簡単に砂に変えられたところを見るとその読みは当たったらしいな。契約書自体の強度は、ただの紙同然だ』
アズール『そ、そん..な...』
アズールはガクッとその場で膝をつき頭を抱えると、衝撃でパサッと帽子が静かに落ちた
ラギー『シシシッ!ユウくんの脅しに関しちゃ、レオナさんなら1発でぶっ飛ばせちゃうのに..なんでここまで手伝ってやるのかなーって思ってたんすけど。オレ、理由が分かっちゃったっす』
レオナ『あん?』
ラギー『レオナさんが前にアズールくんの結んだっていう契約。これ乗じて破棄しちゃおうって魂胆だったんでしょ』
レオナ『..はっ、詮索屋は嫌われるぜ?俺は困ってるやつを見過ごせない、優しい性分なだけだ。くくくっ』
ラギー『うはっ、自分で言ってて笑ってんじゃないっすか。砂にされる前に、どんな契約内容だったか見ておけば良かったっす』
アズール『...あ..あぁ...』
それまで黙っていたアズールは、壊れたかのような震えた声を発し、ついに精神を保っていた糸が切れたかのように叫びだした
アズール『ああ、ああああ...っ!あ~~~~っ!!もうやだ~~~~~!!!!』
『『!!??』』
突然の駄々っ子のような叫びに二人はビクッと体と耳を震わせて驚きに目を丸くした
アズール『消えた..コツコツ集めた魔法コレクションが!僕の万能の力がぁ..!』
レオナ『なんだぁ?』
ラギー『きゅ、急にキャラが..』
アズール『ああ、もう全てがパァだ!何てことしてくれたんだ!!!あれがなくなったら、僕は..僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!そんなのは嫌だ..いやだ、いやだ、いやだ!!もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ..っ!』