第30章 *出航ストラテジー*
昨晩・レオナの部屋
レオナ『つまり、金庫に保管されている時なら、契約書は破れる状態なんじゃねぇかって言いたいんだな?』
グリム『..ん?んんん?どういうことなんだゾ?』
ラギー『あっ、言われてみれば確かに、ちょっとおかしいっすね。アズールくんたちが言うとおり、契約書は触ると電流が流れたりして絶対に破けないって言うなら、厳重に金庫に入れて守る必要、なくないっすか?』
レオナさんの財布みたいに、とチラッとレオナを見つめる
『ん..それにね、VIPルームで戦ったとき..アズさん、凄い金庫を心配してた』
ユウ『確か、フロイド先輩がエースの魔法をユニーク魔法で逸らしたとき』
『その前からだよ。戦うってなったときからアズさん何回も金庫を気にしてるように見てたのが気になって..だからね、エースがフロさんに大釜を落とす時、見えないように大釜の位置をちょっとずらしたの』
グリム『えっ!どうやってやったんだゾ!?』
『風魔法で、ほんのちょっとだよ。フロさんがユニーク魔法で逸らしたら金庫に当たるように』
ユウ『そ、そんなことしてたの!?』
『そしたらアズさん大慌てだったからそれで分かった』
ラギー『なるほどねー、大事なもんは金庫にしまうのが常識だから、疑問にすら思わなかったっす。庶民感覚ゼロの王子様行動もたまには役に立つんすね~』
レオナ『ちっ、一々一言多いんだよてめぇは』
『ビリビリしたのも多分アズさんが雷魔法を使っただけだと思う。私たちが来るの分かってたような顔だったし』
グリム『アズールのやつ、二枚舌どころか八枚舌なんだゾ!また騙された!』
プンプンと怒りを露にするグリムの横で、ユウは気になっていた疑問をぶつけてみた
ユウ『エースたちがいた時にわざわざ言わなかったのは何で?』
『鏡舎にいたときでしょ?あそこだといつジェイさんたちが聞いてるか分かんない..だから、一番安全なレオさんの部屋で話したかったの』
レオナ『ふ、ははは...!はははっ!!』
すると突然レオナはまた笑いだしながらレイラに近寄ると肩を抱き寄せる
レオナ『良い観察眼と注意力だ。やっぱり最高だな、お前』
『ありがと、レオさん』
ラギー『レイラちゃん、中々侮れないっすね』