第6章 *不本意トラベル*
エース『得意な魔法なら感覚で使えるんだけどねー』
デュース『とにかく、僕はなんとかしてあいつを倒して魔法石を持ち帰る』
エース『だーかーら。お前さー、シャンデリアの時といい相当バカでしょ。さっき全然歯が立たなかったくせに、"なんとか"って何?何度やったって同じだろ』
デュース『何だと!?お前こそ...』
グリム『また始まったんだゾ...』
再び口喧嘩をし始めた二人にグリムは呆れた声で腰に手を当てる
『二人とも...ケンカ、ダメ』
レイラが止めるも、声の小ささと怒りで二人は聞こえていないかった。それにしびれを切らしたユウが珍しく声を荒げた
ユウ『二人とも、いい加減にしなさい!!』
『『!!??』』
グリム『うわっ、ユウ。いきなりデケェ声出してどうしたんだゾ』
ユウ『そんなんだから二人とも歯が立たないんだよ』
グリム『ふなぁ...』
デュース『ぐっ...し、しかし...一体どうしろっていうんだ』
ユウ『みんなで力を合わせよう。作戦を立ててさ』
エース『力を合わせるって...ハッ、何ソレ寒っ。よくそんなダッセェ事真顔で言えんね』
デュース『同感だ。こいつと協力なんか出来るわけがない』
グリム『でも...入学初日で退学って、もっとダセー気がするのだ』
エース『うっ...それは』
デュース『....』
ユウ『そんなの全然クールじゃないよ。それと、作戦がひとつあるんだけど』
エース『...はぁ。わぁったよ、やればいいんでしょ、やれば!で、どんな作戦?』
ユウ『えっとね...ってあれ?レイラ?』
ようやく二人もやる気を出したところ、となったがユウはレイラの様子がおかしいことに気がついた
『....』
デュース『そういえばさっきから一言も喋ってないな』
ユウ『どうしたの?どこか具合でも...』
口を閉ざして俯くレイラに問いかけると、ゆっくりと顔をあげた。そこには目元に涙をじんわりと溜めた、今にも泣き出しそうな顔でユウを見つめていた
『『『!!!???』』』
『っ..うっ..ぅぇぇぇぇっ..』
やがて耐えきれなくなったのか、その目から大粒の涙を流しながらレイラは泣き始めてしまった