第30章 *出航ストラテジー*
エース『で、ユウ、レイラ。こっからどうする気だったわけ?』
デュース『お前達の事だから、考えなしに来たわけじゃないんだろ?』
ユウ『とにかく写真を守ろう』
『ちょっとした時間稼ぎしたい..』
デュース『なるほど、単純でいい。得意魔法なしにどこまでやれるか分からないが..』
ジャック『ここまで来たら、やるっきゃねぇだろ!』
『ユウは私が守るから、離れないで』
ユウ『ありがとう。でも無茶はダメだからね』
『ん』
写真を抱えるユウを囲みながら、レイラ達はペンを構えてリーチ兄弟と対峙した
エース『頼んだぜレイラ。得意魔法なしの今のオレらにとってお前とジャックが頼りなんだよ』
デュース『僕たちも全力でカバーするから』
『大丈夫、やれる..』
ジェイド『おやおや、可愛い仔兎さんが勇敢にもウツボに挑みますか?』
フロイド『いーよぉ。クリオネちゃんからギュッてしてあげる♪』
数十分後
エース『おわっ!』
ジェイド『おっと、外してしまいましたか』
フロイド『あー、追いかけっこもいい加減飽きてきた』
ジェイド『あと少しですよ。楽しみましょう』
本来水中で生きるリーチ兄弟はまだまだ余裕の表情をしていたが、レイラ達は慣れない水中での戦いと走りに限界を感じていた
ジャック『おい、ユウ、レイラ!このままじゃ陽が落ちちまうぞ!』
グリム『ホントにこの作戦で大丈夫なのか?』
ユウ『絶対に大丈夫!』
『あの人たちなら、やってくれる』
一方その頃、モストロ・ラウンジのVIPルームではアズールが一人、優雅にソファーに腰かけていた
アズール『ふふ、ジェイドとフロイドは首尾よくやってくれているようですね。これでオンボロ寮も、あの写真も...彼女も、もう僕のものだ』
勝利を確信し、ははは!と高笑いをしていると突然慌ただしく寮生の一人が駆け込んできた
オクタ寮生A『失礼します、支配人!』
アズール『何です、騒々しい』
オクタ寮生A『申し訳ありません。モストロ・ラウンジで問題が..』
アズール『何ですって?』
オクタ寮生A『客同士が揉めて騒ぎになってるんです。今、ジェイドさんもフロイドさんもいないので..』