第30章 *出航ストラテジー*
写真を手に戻ろうとしたその時、内観見回りの人魚に見つかってしまった
グリム『ふなっ!?やべぇ、警備員だ!』
ジャック『気は乗らないが仕方ねぇ。少しの間、眠っててもらうぜ!』
人魚B『不法侵入者か!?すぐに外部と連絡を..むぐっ!!』
『『『!!??』』』
人魚は連絡をとるためにその場を離れようとしたが、突然下から黒い手がいくつも現れ、両腕を後ろに固定され口を手のひらで塞がれた
『ごめんね』
バチバチバチっ!!
人魚B『!!!』
更に微量の電流が人魚を襲い、抵抗出来るはずもなく人魚はその場で気絶した
デュース『い、今のって..』
デュース達がゆっくり振り返ると、ペンを片手に立つレイラが何食わぬ顔で立っていた
ジャック『お前がやったのか?』
『ん..これで良かった?』
ジャック『あ、ああ..助かった』
デュース『物凄い早業だったな..しかも二つの魔法を同時に扱うなんて』
グリム『こいつ、日に日に強くなってるんだゾ..』
『どしたの?変なことしちゃった?』
ユウ『ううん、みんな驚いただけだよ。凄いよレイラ、最近どんどん魔法を覚えてくね』
『撫で撫でして褒めて?』
言われるままに撫でると、嬉しそうに耳を揺らす姿にデュース達も思わず撫で始める
『~♪』
デュース『にしてもレイラは本当に優秀だな』
ジャック『そういえばレオナ先輩が言ってたな。"レイラの魔力自体は飛び抜けてる。使い方や知識がないだけで、覚えれば高度な魔法だってすぐに出来る"って』
『ん..だからいっぱい覚えて強くなる』
デュース『僕も負けてられないな。よし、ひとまずここを出よう』
エース『..で、オレ、ばーちゃんが読んでくれた人間の王子と人魚姫の物語がすげー好きで』
人魚A『その話、映画にもなったんだよな。俺も若い頃、彼女と見たっけ!』
『エースまだ会話続いてる..』
ユウ『ここまで来ると引くかも』
ジャック『言ってやるな。目的は達成した、さっさと引き上げよう』
ジャックがエースにだけ見えるように目的達成の合図を送ると、それを横目で確認したエースは最後まで人魚の気を下げないようにしてその場を後にした