第29章 *悪計コンセンサンス*
ツノ太郎『ふ、察しが良いなお前は..』
褒めるように髪をクシャっと撫でると嬉しそうに目を細めるレイラにツノ太郎も同じく目を細める
ツノ太郎『この場所が毎夜騒がしくなるのは僕も遠慮願いたい..せいぜい足掻いて、寮を守ってみせるがいい』
ではな、と最後に頬にキスを落としてからツノ太郎は光を残して消えていった
ユウ『見た目と実態が真逆..レイラがさっき言ってた話したいこともそれと関係してるの?』
『ん..サバナクローに帰ったらお話しするね』
二人は手を繋ぎながら、オンボロ寮を名残惜しそうに見上げ、サバナクロー寮へとゆっくり帰っていった
サバナクロー寮・レオナの部屋
『ただいまレオさん』
レオナ『おう、帰ったか』
部屋に入るやいなやレオナに抱きつきに行くと、力強く抱きとめられグリグリと頬擦りをされる
ラギー『はいそこすぐイチャつかない』
『ラギさんもただいまのハグね』
ラギー『っ..あ、あざっす』
無遠慮に抱きつかれラギーはしどろもどろになりながらも、そっとその背に腕を回して頬を寄せた
レオナ『おい、俺にだけ抱きついとけよ』
『みんな好きだから平等にハグなの』
レオナ『ちっ..』
ラギー『さて、今日は君達にレオナさんの部屋を掃除してもらうっすよ』
レオナ『宿代分、きっちり働けよ草食動物ども』
レイラとのハグを終えたラギーはユウとグリムに掃除の指示を出し始める。文句を言いながらも床に散らばった衣服を回収するユウ達を見てレイラはラギーの袖を引く
『ラギさん、私は?』
ラギー『レイラちゃんもやるんすか?じゃあ、机の上をお願いするっす。アクセサリーはこっちの引き出し、本はあっちの棚。あらかた片付いたら雑巾で拭いて』
『分かった』
レオナ『別にお前はやんなくていいだろうが』
『泊めてもらってる身だからやりたい。いいでしょ?』
レオナ『はぁ..好きにしろ』
レオナのため息を背に受けながら机の上を掃除しようとすると、無造作に置かれたアクセサリーやキラキラと光る高級そうな品に目を奪われる
『キレイ..』
レオナ『欲しいのか?』
『というより見てて楽しい、かな?ちょっと興味あるけど』
レオナ『やろうか?』