第29章 *悪計コンセンサンス*
二人の言い合いに乗じて、ユウ達はそそくさとVIPルームを逃げたしていった
アズール『あっ、待ちなさい!ジェイド、フロイド、追え!』
フロイド『なんか、怒られてテンション下がったー』
アズール『そんなことを言っている場合か!お前はなんでそんなに気分屋なんだ』
フロイド『アズールこそ、何でそんなにカリカリ出来んの?いーじゃん、金庫が壊れたって。契約書は無敵なんでしょー』
アズール『お前は僕にずっと契約書の束を背負って歩けとでも言うのか!?...はっ、ああ、いけない、いけない。またフロイドのペースに巻き込まれていました』
ようやく我に返った時には既にユウ達は遠くへと逃げていった後だった。アズールは今回は仕方ない、と軽く息をはいた
アズール『まったく..ジェイド、これからも彼らの監視と..フロイドのお守りを怠らないように』
ジェイド『かしこまりました』
フロイド『あー、つまんね。午後サボってどっかで昼寝しよ』
ジェイド『はぁ..やれやれ』
鏡舎
命からがら逃げ来たユウ達は、鏡を抜けた鏡舎でようやく一息つくことができた
デュース『ふう、ヒヤッとしたな』
エース『もー、ジャックがデカいから』
ジャック『なっ..お前らより鍛えてるだけだろうが!それに、元々狼は体がデカいもんなんだ』
『でも一番に私を隠してくれた..ありがと』
ジャック『っ..別に..あれは咄嗟に..』
デュース『にしてもあの契約書、破れないどころか触れもしないとは..』
ジャック『今日のところはここまでか..』
グリム『貴重な1日を棒に振っちまったんだゾ』
エース『本当に破る方法なんかあんのかよー』
『ユウ、ちょっと..後で』
ユウ『..分かった..』
ポタッと3滴、心を蝕んだ
オンボロ寮
サバナクローに戻る前、ユウとレイラは二人でオンボロ寮の前まで来ていた
ユウ『戻ってきちゃったね..』
『ん..レオさんのとこも良いけど、やっぱりあそこがいい』
門越しに今は管理権の消えたオンボロ寮を二人で眺める。すると、当たり一面にフワリと黄緑色の小さな光の粒がいくつも現れた
『キレイ..』
ユウ『この黄緑の光は..?』