第28章 *水中ビギナー*
オクタヴィネル寮・談話室
アズール『..何ですって?ユウさんたちがレオナさんと?』
ジェイド『はい。どうやら契約者はサバナクローに転がり込んだようです』
アズール『なるほど。それは..少しばかり予想外の展開だ....』
眼鏡をクイッとあげながらアズールが黙りこむと、フロイドは"絞めちゃう?"と問いかける
アズール『..いえ、レオナさんについては放って置いてもいいでしょう』
ジェイド『敵に回すと少々厄介では?早めに手を打っておいた方が..』
アズール『彼は基本的に怠惰な雄ライオン。面倒ごとに首を突っ込まない主義だ。勿論、敵に回せば厄介、という意見には同意ですが..それは相手も同じこと。彼も、好き好んで僕と対立しようなどと考えないはずです』
ジェイド『噂だと彼はレイラさんとえらく親しげ、というのを耳にしましたが..?そちらの線で動く可能性もありますよ』
アズール『それは僕も聞きました。ですが飽き性の彼のことだ..どうせ一時の感情。そこまで大切に思ってないでしょう』
ジェイド『では薮蛇にならないように、今のところは触れずにおく..ということですね。かしこまりました』
フロイド『ちぇー。アイツ、締めがいがありそうだっとのになぁ』
アズール『二人とも、引き続き監視を頼みましたよ』
『『はい/はーい』』
アズール『そうだフロイド。彼女をつまみ食いしたそうですね』
フロイド『げ..』
アズール『忘れないでくださいね。彼女は完全に手にしてから"僕ら"で美味しくいただくんですから』
フロイド『分かってるし~..でもさ、クリオネちゃんイイ匂い撒き散らしすぎなんだよ』
ジェイド『確かに。僕も何度か近くで嗅いだことはありますが、あれは魅惑的すぎる。種族関係なしに雄を誘う匂い..』
アズール『魅惑的な匂いに、強大な力..そしてあの愛らしい姿。あぁ、彼女には他者に欲されるものが沢山詰まっている』
ピラっとアズールは懐から写真を取り出し、うっとりと眺める
フロイド『アズール、その写真好きだね』
ジェイド『ふふ、隠し撮りとはいえよく撮れています』
そこには誰もを虜にするような優しい微笑みで映るレイラの姿があった