第28章 *水中ビギナー*
エース『っ、ふざけんなよお前っ!』
デュース『ぶちのめす..』
ジェイド『まったく..あれほど先走るなとアズールに言われていたのに。フロイド、後で叱られても知りませんよ』
フロイド『えぇ~だって美味しそうなクリオネちゃんが悪いんじゃ...っで!!』
バチっ!!と音と共にフロイドに電流が走り、痛みに思わず腕の拘束が解ける。その隙にレイラは必死に泳ぎながらユウ達の元へと逃げ出した
『ユウ..っ』
ユウ『レイラ!良かった..』
グリム『でかしたんだゾ!!』
ギュッと抱き締めると、その二人を守るようにエース達が前へと進み出る
デュース『レイラも取り戻したし、これで心置きなく戦える』
エース『オレらの学生生活かかってんだから、邪魔すんなよな!』
フロイド『ってぇ~..水中で雷魔法とかクリオネちゃん容赦ねぇじゃん』
ジェイド『しかもフロイドに触れているはずの自分には影響がないように防御魔法も使っていたとは..中々やりますね』
エース『じゃ、なんとかここを切り抜けますか!全員構えろよ!』
レイラを取り戻したことにより士気が上がっていたエース達だったが、いざ二人と対峙するとその勢いは一気に下がっていった。何故か放つ魔法の全てが二人に全く当たらないのだ
『軌道が逸れてる...ううん、逸らされてる?』
ジェイド『ふふ、さすがですね』
フロイド『オレのユニーク魔法"巻きつく尾(バインド・ザ・ハート)"はお前らの魔法が失敗するように、横から邪魔できちゃう魔法なんだ~。面白いでしょ』
グリム『ちっとも面白くねぇ!そんなの、反則技なんだゾ!』
ジェイド『はぁ...フロイド、ユニーク魔法をペラペラと他人に教えてしまうのは余り感心しませんよ』
フロイド『いいじゃん。分かってたってコイツらには止められねーし』
ジェイド『はいはい。今日は魔法の調子が良いみたいで何よりです。いつもこうだと、僕も嬉しいんですがね。気分が乗らないと一度も成功しないんですから..困ったものです』
フロイド『ほらほら、早く逃げなよ。捕まえたらオレの尾ビレでギュ~っとしちゃうよ』
どいつから絞めてやろうかな?と獲物を見定めるようにギラギラと目を輝かせる