第28章 *水中ビギナー*
エース『ってか、めちゃくちゃ長っ!身長..いや、全長何メートル!?』
デュース『ウミヘビか何かか!?』
フロイド『残念、ウツボでぇす』
『ウツボ..さん?』
ユウ『って、レイラ捕まっちゃった!!』
フロイドの長い尾ビレはレイラの体に巻き付き、更に腕の中に閉じ込められ、完全に逃げ場のない状態にされていた
フロイド『あはぁ♪クリオネちゃん、どうどう?オレらの本当の姿』
『スゴい..ウツボさん初めて見た。腕、触って良い?』
フロイド『いいよぉ~♪ヒレも触ってみる?』
『ん』
ジェイド『レイラさん、僕の腕のヒレにも触って良いですよ?』
拘束されているという状況にも関わらず、呑気に二人の姿に興味津々といった様子で、許されるままに腕やヒレを触り始めるレイラに、エースは呆れてため息をついた
エース『はぁ...危機感ねぇなアイツ..』
グリム『そんなことより、お前ら何しに来たんだゾ!』
フロイド『あはは。そんなの、オマエらの邪魔しに来たに決まってんじゃん』
エース『やっぱそ~ですよね』
ジェイド『そう簡単に条件をクリアされては困りますから』
エース『これ戦う感じ、だよね?でもさ..』
デュース『くっ..レイラが..』
ユウ『なんかサバナクローの時も似たようなことが..』
フロイド『あはぁ♪クリオネちゃんごと攻撃する?出来ないよねぇ?』
腕の中のレイラを逃がさないように抱き締める力を強めながら、フロイドは余裕の笑みを浮かべる
ジャック『ちっ、卑怯な手を使いやがって!』
『みんな...。ね、フロさん..離して?』
フロイド『ダメ、離してあげない♪はぁ..クリオネちゃんさぁ、水の中だってのにイイ匂いする~♪美味しそう..』
首筋に顔を埋めて僅かに香る匂いにフロイドの瞳が一層輝くと、我慢できなかったのか鋭いギザギザの歯をむき出しにそこに噛みついた
『っ...ぁ"っ..ぃ、た...!』
『『『レイラっ!!』』』
ジェイド『いけませんよフロイド、つまみ食いをするなんて』
フロイド『ん..やば、超美味いんだけど..』
ペロリと舐めあげると、僅かに滲んだ血が海の中へと漂って溶けていった