第27章 *標的モニタリング*
ジェイド『もし宿にお困りでしたらご相談ください。オクタヴィネル寮のゲストルームは、一泊一万マドルからリザーブ可能ですので。
ああそうだ、レイラさん。貴女は特別に我がオクタヴィネル寮で無料で保護してさしあげてもよろしいんですよ?勿論、お金以外のお代はもらいますが』
フロイド『クリオネちゃん、おいでおいで~♪』
手を広げて迎えようとするフロイドに、レイラはそっと首を横に振ってユウの腕にしがみつく
『私はユウの寮生だから、ユウと一緒が良い..』
ジェイド『ふふ、残念ですね』
フロイド『え~...つまんねぇの』
オンボロ寮を追い出された3人は、寝泊まりする場所をどうするか考えていた
外は冷たい風が頬を撫で、野宿をしようものなら一発で風邪行きというのは容易に分かった
すると、向こうからこちらへと三つの影がユウ達の名を叫びながら走ってくるのが見えた
デュース『おーい、ユウ、レイラ、グリム!』
グリム『ふなっ!オマエたち、もしかして助けに来てくれたんだゾ!?』
エース『ん~、グリムはともかく、ユウとレイラが宿無しなるのは、まあ、オレたちにも原因があるし?』
『エース』
エース『なに?...むへっ!な、なんれまら!!』
『...ぅぅ...』
エース『へ?』
『オンボロ寮..っ..とられちゃった..大好きな..ぅっ...寮..だったのに...っ..』
エースの頬をつねりながらボロボロと涙をこぼし泣き始めたレイラにエース達はいきなりのことにビックリした
エース『ぷはっ...!ちょ、ちょ、待ってレイラ...な、泣くなって...』
『ぅぅっ...ひぐっ...ぅぇぇぇ...』
デュース『急にどうしたんだレイラ!?』
ユウ『...もしかして、ずっと怖かったの?』
ユウが優しい口調で問いかけると、嗚咽混じりにコクンと頷いた
ユウ『そっか...そうだよね』
エース『我慢してたのか...ごめんな』
エースはそっと小さな体を包み込むと、何度も"ごめん"と謝りながら、あやすように頭を撫でてやった
『ぐすっ...エースの...バカ...』
エース『バ..!?あ~も、今回はバカでいいよ』