第27章 *標的モニタリング*
ジェイド『お約束を果たしていただくまで、この寮は一時的にアズールのもの。従って、お三方には直ちに退去して頂かなくてはなりません』
フロイド『身支度を整えるくらいの時間はあげるからさぁ』
ジェイド『正式にここがアズールのものとなった際は、私物は全て廃棄させていただきます。そのつもりで身支度なさってくださいね』
フロイド『ふふふ、大丈夫だって。3日後の日没までに写真を持ってこられたら全部返してあげるからさぁ』
フフフフ...と悪い顔全開で笑う二人に、グリムはツナ缶の確保にダッシュで部屋へと走っていった
ユウ『とりあえず制服と勉強道具かな...はぁ』
『ユウ、いこ?』
ユウ『うん』
ユウ達もグリムを追って部屋へと戻っていった
オンボロ寮・自分の部屋
ユウ『ごめんねレイラ、こんなことになっちゃって』
『寮ないの悲しいけど、ユウと一緒にいられるならいいよ。それに、アズさんとの勝負に勝てれば返してくれるんだし、大丈夫。私もお手伝いする』
ユウ『...ありがと、優しいね』
頭を撫でると嬉しそうに耳を揺れ動かし、気持ち良さそうに目を細める
『あ、あのねユウ。さっきアズさんとお話したんだけどね』
ユウ『!そうだ。さっきは何を話してたのか、教えて』
グリム『ツナ缶~!あと一個どこにいったんだゾ!?』
ユウ『ベッドの下じゃない?...成る程。あの人、僕らをエサにしてレイラのことも手にいれるつもりだったんだ...』
『ん。でも断ったから大丈夫』
ユウ『良かった...僕はてっきり』
『ユウ達を救いたいのはあったけど、でもここで自分を売ったらユウ達が悲しむかもって...やめたの』
ユウ『正解だよ。この寮がとられちゃうのは大変なことだけど、レイラがいなくなるよりかは何倍もましだ。さ、荷物まとめちゃおう』
ポタポタと2滴、心を蝕んだ
荷物をまとめ終わった3人は、オンボロ寮の玄関まで来ていた
ジェイド『お三方、準備よろしいですか?』
フロイド『じゃあねぇ、小エビちゃんにアザラシちゃん。達者で~』