第27章 *標的モニタリング*
ユウ『よし、戻ろうみんな』
ユウは立ち上がると、レイラの手をとりVIPルームを出ようとした
『...待ってユウ』
ユウ『どうしたの?』
『少し...ここに残りたい』
『『『!!??』』』
ジャック『何言ってやがる、もう話は...』
『....お願い』
いつもとは違う真剣な眼差しに3人は息をのみ、ユウは1人この状態のレイラに見覚えがあった
ユウ『無茶なことしない?』
『しない』
ユウ『必ず帰ってくるって約束して』
『するよ、今回も』
ユウ『...分かった、先に帰ってるよ。ジャック、グリム、行こう』
ジャック『っおい!なんでレイラを置いてくんだ。お前、何しようとして』
『ジャック...大丈夫。ちょっと話をするだけ』
だから行け、と目で訴えかけると、ジャックは渋々といった様子で"分かった"と言ってユウの後に続いて部屋を出ていった
グリム『またオマエ、あの時みたいに1人で何とかするつもりなのか?』
『グリム...心配してくれてありがと』
グリム『質問に答えれてねぇんだゾ...やい!そこの3人!コイツに変なことしたら、オレ様が...いででででで!!ふなぁ~ん!!』
フーッと威嚇するように吠えるグリムだったが、頭のイソギンチャクがグリムを持ち上げ、ぽいっと扉の外まで放り出されてしまった
アズール『まったく、うるさいモンスターだ。ジェイド、ドアを閉めて行ってください』
ジェイド『かしこまりました』
一礼し、ジェイドとフロイドはユウの見送りのために部屋を出ていく。パタンと閉じられたVIPルームにはアズールとレイラだけとなった
アズール『さてレイラさん、僕に何かご用でも?』
『用があるのは、アズさんでしょ』
アズール『ふふふ...そう怯えた顔をしているくせに随分と強気な口調だ』
『怖がって...ないもん』
アズール『そうですか?手、震えていますよ..?』
『っ...』
アズール『そんなところもまた愛らしいですね』
『...アズさん』
ムッと軽く睨み付けるとアズールはいっそう笑みを強め、ソファーから立ち上がるとゆっくりとレイラへ歩み寄る