第27章 *標的モニタリング*
ジャック『225人!?そんなに契約してやがったのか』
『いっぱいだ...』
アズール『今年はジェイドとフロイドが精力的に営業活動をしてくれましてねぇ...おかげさまで、沢山のお客様と取引させていただきました。
さて、ユウさん。貴方は生徒達を自由にして欲しいと言いますが、僕は彼らに不等な労働をさせているわけではありません』
ジェイド『おかわりはいかがです?』
『ん、欲しい...ありがと』
アズール『こら、そこの二人』
『『申し訳ありません/ごめん』』
傍らで呑気に紅茶タイムに浸るレイラとそれに便乗して給仕するジェイドをアズールがそっとたしなめる
アズール『話を戻しますが、彼らは契約書の内容に合意し、僕と契約を交わした。契約は"可哀想"だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃあないんですよ。つまり、一昨日お越し下さい。と言うことです』
ユウ『だったら、自分も取引します』
ジャック『!?おい、お前なに考えてんだ!?』
突然の取引宣言にジャックは勿論、隣で紅茶を啜っていたレイラも驚きに目を丸くした
アズール『ほう、僕と取引をしたいと。面白い事を仰る』
フロイド『あはっ。小エビちゃん、度胸あるじゃん』
アズール『...ふぅむ。貴方が僕と取引したいのは分かりましたが...しかし困りましたねぇ、確かユウさんは魔法の力をお持ちでない。美しい声もなく、一国の跡継ぎというわけでもない。本当にごく普通の人間だ。それだけ大きなものを望むのでしたら相応の担保が必要です』
ジャック『担保、だと?』
『美味しいの?』
ユウ『美味しくはないかな』
アズール『簡単に言えば契約を保証し万が一反した場合に賠償してもらうもの。言うなれば、イソギンチャク達からいただいた得意魔法がそれにあたります』
『なるほど...勉強になった。ありがとアズさん』
アズール『いえいえ。さて、イソギンチャク達は得意魔法...ですが魔法を持たない貴方は何を担保にするのですか?』
ユウ『それは...』
何もかけられるものがない。そう言った表情で、それでも何かないかと考えるユウにアズールは1つの提案を出した