第27章 *標的モニタリング*
『やっと落ち着いたね』
フロイド『うんうん、かなり良い感じに捌けたじゃん♪手伝ってくれてありがとねぇ、小エビちゃん達』
『ユウ、ジャック、お疲れ様』
ユウ『ありがとレイラ。待ってる間寂しくなかった?』
『平気。見渡したらすぐそこにみんないたから』
パチパチ...
アズール『あれだけの混雑を捌ききるとは、見事なヘルプです』
他の客との話を終え、アズールは軽く手を叩きながら称賛する
ジャック『アズール!』
『アズさん』
アズール『夜遅くによく来てくれましたねレイラさん。ケーキや紅茶はお気に召しましたか?』
『ん...美味しかった。ありがと』
アズール『ご満足いただけたようで...さて、お待たせ致しました。VIPルームの準備ができましたので、どうぞこちらへ』
そう言ってアズールはさりげなくレイラの手を取ろうとしたが、それよりも早く横からユウの手が伸び、サッと掴むと自身に引き寄せる
『ユウ...?』
アズール『おやおや、怖い顔ですね...ふふ、これは失礼を』
ユウ『レイラ、僕から離れちゃダメだからね』
『ん、分かった』
ユウ『良い子』
アズール『(中々の独占欲だ...)ジェイド、フロイド、お客様にお茶のご用意を』
『『かしこまりました』』
モストロ・ラウンジ VIPルーム
そこはこじんまりとした書斎のような部屋で、辺りの壁には本がぎっしりとつまった棚が並び、中央には対談するためのソファーが二つ。そして奥には謎の大きな金庫のようなものがある
ジャック『なんだここ...本当に学校内か?でかい金庫があって...銀行みてぇだ』
学校内とは思えない部屋の様子に呆然と見回していると、急かすようにアズールが声をかけソファーに座らせる
『ふかふか...』
ユウ『(可愛い...)』
ユウとジャックは万が一を考え、自然な流れでレイラを挟むように据わった
アズール『それで?僕に相談というのは?』
ユウ『下僕にしている生徒達を自由にして欲しい』
アズール『はっはっは、これはまた...突然横暴なことを仰いますね。僕と契約した生徒、225人の解放ですって?』