第27章 *標的モニタリング*
『いいよ...ジェイさん達に優しくされるの、やじゃない...でもね、ユウやエース達にいじわるするのは、やだな...』
ジェイド『ふふ...申し訳ありません。意地悪をしているつもりはありませんが、もしご不満ならそれを止める方法は貴女は知っている筈ですよ』
『...契約...?』
首をかしげると、正解と言わんばかりの笑みだけを浮かべ、立ち上がると厨房へと姿を消した
周りに誰もいなくなったのを機に辺りを見回すと、エース達に混じって慣れない給仕に奮闘するユウ達の姿を見つける
『...ユウ...大丈夫かな...』
ジャック『心配すんな、それなりにやれてるぞ』
『ジャック...』
ジャック『これ、あの双子がお前に持ってけって』
コトンと置かれた皿には美味しそうにフルーツが飾られたショートケーキが乗せられていた
『私...いいのかな...』
ジャック『守られて特別扱いされるのは嫌か?』
『力にならないって言われてるみたいで...。私、まだみんなみたいに強くないから』
ジャック『...あいつらはお前が無力だから守ってるわけじゃねぇ』
『え...』
ジャック『力の有り無し関係なく、大切なやつだから守ってんだ。まぁ、それはユウ達のことで、あの双子が何で特別扱いするのは分かんねぇがな』
『....そっか。ん...ありがとジャック、いただきます』
薄く笑みを浮かべながらレイラはジャックの持ってきたケーキを小さく頬張り始めた
ジャック『ふっ...じゃ、俺は戻るぜ。だが呑気に食ってばかりもいられねぇってことを覚えておけよ』
そう言うと頭をくしゃくしゃ撫で、業務へと戻っていった
ジェイド『何やらお話をしていたようですが』
どうぞ、とミルクティーを提供しつつジェイドはにこやかに問いかける
『...秘密』
ジェイド『残念』
その後、レイラを除いた五人は客足が収まるまでひたすらに給仕に皿洗いとこなすこととなった