第27章 *標的モニタリング*
だが盛況の中、手が回らずにいたエース達は、自分達でやれよと反発する。すると、ジェイドは二人の頭のイソギンチャクを操り引っ張りあげる
『エース達、痛そう...』
フロイド『イソギンチャクのくせに歯向かうから悪いんだし、クリオネちゃんが気にすることないと思うけどぉ?』
ジャック『ちっ、新人いびりを見せられて気分悪いって言ってんだよ』
フロイド『じゃあ、お前らがこいつらの代わりに店を手伝ってくれんの?』
フロイドの言葉に、それいい!エースが便乗し、何故かジャックとユウはアズールの用事が終わるまでの間、臨時でモストロ・ラウンジで働くことになってしまった
『ジェイさん..私も?』
ジェイド『..いいえ、貴女は特に大事なお客様。そんなことはさせられません』
『どうして?私じゃ...役に立たない?』
ジェイド『そういうことでありません。ただ...貴女はただでさえも唯一の女性で目立ちます。それに、』
フロイド『クリオネちゃん可愛いからそれに変な気起こしたおバカが出るとクリオネちゃんも困るでしょ?』
『????』
ジャック『要するにお前は危ねぇから大人しく客として座ってろってことだ』
『ん...わかった』
ユウ『はぁ...』
フロイド『じゃあこのドリンク三番テーブルに持ってって』
ジェイド『レイラさん、こちらへどうぞ』
フロイドにユウ達を任せ、ジェイドはレイラの手を引きあの日と同じ、大きな水槽がよく見える席へと座らせる
『この席好き。お魚さんとかよく見えるしキレイ』
ジェイド『ありがとうございます。そうだと思いまして、今日はこの席は貸しきり状態にしています』
『私のために...?』
ジェイド『ええ...』
『さっきからどうして特別扱いするの?私、ジェイさんたちに何もしてない...お話したのも少ないし』
不安そうな顔で見上げるレイラに困ったように眉を下げて、ジェイドはその場で帽子を取りながら片膝をつく
ジェイド『そのように不安な顔をしないでください。確かに貴女との関わりは浅い。ただの物珍しさからかもしれません。ですが、僕達はただ貴女の喜ぶ顔が見たいのです』
納得のいく答えではなく申し訳ありません、と苦笑いのジェイドにレイラは優しく微笑む