第27章 *標的モニタリング*
その日の夜、ユウ達は指定された時間通り9時過ぎにモストロ・ラウンジへと訪れていた。夜も深いにも関わらずラウンジは客で賑わっており大盛況だった
ユウ『かなり賑わってるね』
『忙しそう、だね』
ジャック『こっからはマジで敵の縄張りだ。気を抜くんじゃねぇぞ』
フロイド『あ~、小エビちゃん、クリオネちゃん、いらっしゃい~。それに、ウニちゃんも来たんだ』
『フロさん...こんばんは』
フロイド『クリオネちゃん♪』
『うきゅ...ん...』
声をかけるや否や長い腕に抱き締められ、いきなりの圧迫感に少し潰れたような声をあげ、それでも嫌がることなく大人しく包まれる
フロイド『あはぁ...可愛い♪』
ジェイド『おや...これはこれは、早速のご来店ありがとうございます。ようこそモストロ・ラウンジへ。当店のご利用は初めてでいらっしゃいますね?』
奥から現れたジェイドは恭しくその場で一礼すると、フロイドの横へ並び立つ
ジャック『前から思ってたが..あんた、分かってて質問するのが趣味なのか?』
ジェイド『ふふっ、念のためですよ。あぁ、レイラさんは2度目のご来店でしたね』
『ん...ぅぇっ』
フロイド『ねぇねぇクリオネちゃん。何して遊ぶ?』
ジェイド『こらこらフロイド、絞めてはいけませんよ』
構ってほしそうにぎゅうぎゅうと抱き締める力を強めるフロイドをたしなめながら、モストロ・ラウンジの利用について説明し出す
ジェイド『モストロ・ラウンジは紳士淑女の社交場。他寮との揉め事は御法度です。ここでは、どの寮の生徒もオクタヴィネル寮のルールに従っていただきます。ルールを守って楽しくラウンジをご利用くださいね
さて...お客様、本日のご用件は?』
ユウ『イソギンチャクについて相談がある』
『アズさんとお話したい』
ジェイド『ふふふ...かしこまりました。今、支配人は別のお客様のご相談を受けておりまして。暫く店内でお待ちいただけますか?ああ、そうそう。当店はワンドリンク制です。必ず何か一杯ご注文くださいね』
こちらにオーダーをお願いします、とジェイドは向こうで忙しそうに給仕に駆り出されるエース達へと呼び掛ける