第27章 *標的モニタリング*
『三人とも大丈夫?ギュ~する?』
腕を広げてエース達を迎えようとすると、我先へとエースとデュースが争い始めた
エース『どけよオマエ!!』
デュース『うるさい!お前こそ!!』
取っ組み合いになる二人を他所にグリムは一匹レイラの胸へとダイブする
グリム『オレ様を慰めろ~...』
『ん、よしよし』
ジャック『ふん、自業自得だ』
ユウ『早めに何とかしてあげたいな...』
『アズさんのとこキツそうだね』
グリムをよしよしと撫でていると、フッと背後に影が射し背筋に寒気が走る
ジェイド『おや、どうなさったんです。暗い顔をして』
フロイド『あはは。ココ、イソギンチャクの群生地じゃん』
グリム『ふぎゃっ!出たな、そっくり兄弟!』
ジェイド『何か悩み事を抱えているようにお見受けしますが...』
エース『どっかの誰かさんたちにこき使われてちょ~困ってま~す』
フロイド『あはっ、契約違反したイソギンチャクが何か言ってる~。お前らは文句言える身分じゃねぇんだよ。黙ってろ』
ふにゃりとした顔と声からドスの効いた声に急変し、グリムはヒュッと息をのんだ
グリム『ヒ、ヒエ...また絞められる~』
ジェイド『僕が話しているのはイソギンチャク達ではなく、貴方達ですよ。オンボロ寮の監督生、ユウさん。そしてレイラさん』
ユウ『はい!?』
急に視線を投げかけられ、思わずビクッと後退りするとフロイドはそれを面白そうに見つめる
フロイド『なぁに、エビみたいにビクッと後ろに下がっちゃって。エビ...ん~、小さいから小エビちゃんかな~』
『あ、ジェイさんフロさん...』
ジェイド『こんにちはレイラさん、今日も愛らしいですね』
フロイド『クリオネちゃんゲット~♪』
『ん...んん...ぷはっ...』
ギュッと抱き締められ、少し苦しそうにしながら腕から顔を出すと、フロイドの背中に腕を回し抱擁に応える
ジェイド『フロイド』
フロイド『分かってるよ、優しくしてるし~』
『ん、今日のはそんな苦しくないよ』
仲睦まじく抱き合うフロイドとレイラ、そしてレイラの頭を撫でながらそれを微笑ましく見守るジェイドの姿に、他のメンバーは嫉妬と羨望の眼差しを向けていた