第27章 *標的モニタリング*
その日ユウとレイラ、そしてジャックは授業をサボりつつアズールを観察するために、アズールの受けている授業にこっそりと潜入することになった
1限・音楽
アズール『ラ~ラララ~ララララ~♪』
『ひえ...』
ジャック『アイツ、やたら歌がうめぇな』
2限・動物言語学
アズール『オ"アァ~~オ"ァッ。ブナッ、フシャルル!』
ルチウス『オ"アァ~~...ホワッ』
アズール『うんうん、なるほど。ルチウスさんが言うには、トレイン先生が前回オヤツを与えてくれたのは三時間前です』
トレイン『さすがだなアーシェングロット。正解だ』
『ひえ...』
ジャック『動物言語を理解できるだけでなく、自分で喋ることも出来るのか』
3限・魔法薬学
アズール『シロイルカの歯、そしてチョウザメの卵、オーロラ蛾の麟粉、人魚の涙。それから120種の薬草をブレンドしたエキスを加え...完成しました!この薬を飲めば、体の一部を別の動物に変えることが可能です』
クルーウェル『グッボーイ!これは3年生の学年末試験レベルの調合だぞ。他の仔犬どももアーシェングロットを見習うように』
『ひえ...』
ジャック『難しい魔法薬の調合も完璧...っと』
大食堂
アズール『さて、今日のランチはイカスミパスタにしましょうか。おっと、きちんと野菜もとらなくては。炭水化物ばかりでは、栄養が偏りますし...何より、太りますから』
ジャック『アズールのやつ、まさに完全無欠の優等生って感じだな』
『ひえ...』
ユウ『さっきからレイラどうしたの?』
ジャック『ひえ、ばっかりだな』
『アズさんスゴいって思ったら変な声出てた』
グリム『ふな"ぁあ~~~~~...早速アズールのやつにこき使われてヘトヘトなんだぞ~』
エース『オクタヴィネル寮の掃除、ラウンジの給仕、購買に使いっ走りまでさせやがって』
デュース『僕なんか、今日は朝6時に呼び出されたぞ』
ユウ達が大食堂でアズールを観察していると、イソギンチャクを揺らしながらアズールにこき使われ意気消沈しているエースたち三人の姿が遠くからこちらへ向かってきていた
三人ともげっそりとしていて相当堪えているようで、盛大なため息をつきながら席につく