第27章 *標的モニタリング*
ユウ『それで、自分に何か...?』
ジェイド『失礼。先日リドルさんたちとスパイごっこに勤しんでいたようなので、僕らのことはよくご存じかもしれませんが、改めてご挨拶を』
そう言うと二人はレイラを愛でながら各々自己紹介をした
ユウ『あの、レイラ返してくれませんか?』
フロイド『え~....やだ』
ユウ『えぇ~...』
ジェイド『さて、話を戻しますが。もしかしてユウさんのお悩みは...このおバカなイソギンチャク達についてではありませんか?』
わざとらしく笑うジェイドにジャックは"よく言うぜ"と眉をひそめ嫌悪を露にする
ジェイド『もしユウさんのお悩みの種がイソギンチャク達についてなら、直接アズールに相談するのが一番だと思いますよ』
ジャック『なんだと...?』
ジェイド『アズールはグレート・セブンの海の魔女のようにとても慈悲深いお方。きっと貴方のお悩みを聞いてくれるでしょう』
フロイド『そうそう。アズールはどんな悩みも解決してくれるよ。例えば...そこにいるイソギンチャク達を自由にしたい、なんて願いでも』
『『『え!!!』』』
ジェイド『勿論、タダで...というわけにはいきませんが』
ジャック『ちっ、それが本題か。ユウにもアイツと契約させようってんだな』
グルル、と牙を剥き出しに威嚇すると"獰猛ですね"とジェイドはさして怯える様子もなく笑う
フロイド『オレ達は親切で教えてあげてるだけだよ。ねえ、ジェイド』
ジェイド『ええフロイド。僕たち、悩みを抱える可哀想な人を放っておけないタチでして』
言葉とは裏腹にギザギザの歯を見せながら悪どい笑みを浮かべ笑う双子に、絶対裏があるなと全員息をのんだ
ジェイド『もし、この話に興味がおありなら、夜9時過ぎにモストロ・ラウンジへお越し下さい』
『ジェイさん...』
ジェイド『はい、何ですかレイラさん』
フロイドの腕の中から真剣な面持ちで話しかけるレイラに、エースたちはビシッと反発するのではと身構える
『...お菓子とか、ある?』
ガクッと双子以外が椅子から転げ落ちる音が聞こえ、ジェイドは目を丸くしながらもすぐにいつもの笑みに戻る
ジェイド『ええ、美味しいお茶とお菓子を用意してお待ちしてますよ』