第26章 *オクタヴィネル寮編~深海の商人~楽勝スタディ*
数で押しているはずのグリム達だったが、誰一人として3人に勝てるものはいなかった。多彩な魔法を放たれ、逆に魔法を放てば契約書に全ての攻撃を跳ね返されてしまった
フロイド『どいつもこいつも弱っ。絞めがいがね~なぁ~』
アズール『まるで無力な稚魚の群れですね』
エース達は日頃自分達が得意魔法に頼っていたのかを痛感させられ、グリムに至っては唯一の魔法である炎魔法がないため、何も出来ずにその場に倒れることしかできなかった
アズール『みなさんはこの"黄金の契約書"にサインをした。正式な契約は、何人たりとも破棄できない。どんな魔法を使おうが、この契約書に傷一つ付けることはできませんよ。フフフ...頭にイソギンチャクが生えている限り、君達は僕の命令に従わざるを得ない』
黄金に光輝く契約書を片手ににっこりと微笑むアズールに全員の身体から血の気が引いた
アズール『まずはこのラウンジの清掃をしてもらいましょうか。次に食材の仕込みを。さあ、立ち上がってキリキリ働きなさい!』
エース『マジかよ...』
アズール『ジェイド、フロイド。新入りの指導は任せましたよ』
『『はい/は~い』』
双子はアズールの指示に従ってエース達を裏のスタッフルームまで誘導(?)し始める
さて、とアズールは視線をエース達から端で見ていたユウ達へと向ける
アズール『サバナクロー寮のジャック・ハウルくんに、オンボロ寮のユウさん...それに』
『アズさん、久しぶり』
アズール『あぁレイラさん!またお会いできて嬉しいですよ。成績優秀者上位おめでとうございます』
レイラを見つけるなり先程までの悪どい笑みが消え、柔和な表情へと一瞬で切り替えると嬉しそうに手をとった
『ありがと。あのねアズさん、さっきのって...』
アズール『..申し訳ありません、今は取り込んでいまして。今日のところはお引き取りを...次はお客様としていらしてください、いつでも歓迎しますよ。また美味しいスイーツと紅茶をご用意してお待ちしております』
恭しく甲にキスをして一礼すると、アズールは双子達を追ってコツコツと靴をならしながら店の奥へと消えた
『アズさん...』
ジャック『グルル...おいユウ、レイラ。一旦戻って仕切り直すぞ』