第26章 *オクタヴィネル寮編~深海の商人~楽勝スタディ*
『だから魔法使って喧嘩しなかったんだね。預けちゃってるから...って、ジャック?』
成り行きを見守っていたジャックだったが、突然立ち上がると怒りに満ちた声で叫びながら大股でズカズカとアズールの元へと前に出た
ジャック『さっきから聞いてりゃ...どいつもこいつも気に入らねぇ!!!』
『『『!!!???』』』
デュース『ジャ、ジャック!?どうしてここに?』
アズール『ん?君は...頭にイソギンチャクがついていませんね。今はスタッフ・ミーティング中です。部外者はご遠慮いただけますか?』
ジャック『グルル...部外者だと?俺は、自分の力で勉強したやつらと真っ向から競いあって勝ちたかったんだ。それが、あんたのせいで台無しになった。充分に当事者だろうが!』
ユウ『意識の高さに火がついてしまった...』
『ジャック真面目だから』
ジャックが通ったせいか、レイラ達の前には生徒がはけて道が出来ていた。グリムはそこから二人の姿を発見することができた
グリム『ユウ、レイラ、ジャック。オレ様達を助けに来てくれたんだゾ!?』
ジャック『勘違いすんな。俺はここにいる全員が気に入らねぇんだ。アコギな取引を持ちかけたやつも、他人を頼ったお前らも、どっちの味方する気もねぇ!』
なにしに来たんだよ...と呆然と見つめるエースの足元で、ジャックの言葉に目が覚めたグリムは、アズールと交わした契約書を破れば無効という実力行使に出ることにした。周りもそれに賛同し、人数の多さに勝てるだろうと戦闘体勢を取りはじめる
ユウ『ダメだこの人達』
『そういう問題じゃないと思うよ、って聞いてないし』
アズール『やれやれ...余り手荒な真似はしたくないんですがね。ジェイド、フロイド、少し遊んであげなさい』
ジェイド『かしこまりました』
フロイド『こいつら全員絞めて良いの?あはっ、やった~』
呆れてため息をつくアズールが軽く手を上げると、奥から2つの金色の瞳が輝きながら近づいてくる。そこにはペンを構えたジェイドとフロイドが笑みを浮かべながら、アズールの両脇に立ちはだかった
『これ私達関係ないよね』
ユウ『そうだね、ちょっと離れてよっか』