第26章 *オクタヴィネル寮編~深海の商人~楽勝スタディ*
その日、ユウの夢はこの間の草原とは一変、大海原が広がっていた。嵐に呑まれる船...人魚に助けられた人間...その人間の世界に胸を馳せる人魚姫の瞳はキラキラと輝いていた
オンボロ寮・自分の部屋
レイラの風邪の一件からオンボロ寮の改築が行われ、以前よりもだいぶ綺麗になった部屋に、ブツブツとグリムの呟きが小さく聞こえる
因みに余談だが、ベッドは新しく2つ用意されたのだが、結局3人は前と同じベッドで一緒に寝ている
ユウ『おはよグリム』
グリム『ふなっ!いきなり声かけるんじゃねーんだゾ。ビックリして覚えたことを忘れちまうじゃねーか』
『んん...朝?』
ユウ『おはよレイラ』
グリム『オマエたち呑気だな。今日は期末テストの最終日だゾ!オレ様たちは二人で1つなんだから足引っ張るんじゃねーんだゾ、ユウ』
ユウ『はいはい。にしてもレイラはスゴいね。全然余裕って顔してる』
『そう...?毎日の授業ちゃんとしてれば心配ないって先生達言ってるから』
ユウ『いつも小テスト満点だもんね...偉いね』
優しく撫でると、もっととせがむようにその手に擦り寄り、ユウもそれが愛らしく抱きしめて口づける
『んふ...学校、いこっか』
ユウ『そうだね、いざ出発』
教室
チャイムの音がテスト終了の合図を知らせ、はりつめた空気が一気に緩みをみせる
クルーウェル『そこまでだ仔犬ども。お利口にペンを置いて、答案用紙を前に回せ。このクラスの期末テストはこれで全科目終了だな』
『『『いえーっ!!!』』』
解放感から教室中から歓喜の声が沸き上がる。すかさず浮かれる生徒達にクルーウェルの渇が飛ぶ
クルーウェル『おすわり!はしゃぐのはまだ早い。テストの結果が悪かったバッドボーイどもは、クリスマス休暇を補習で棒に振ることになるから覚悟しておけよ。では、解散』
クルーウェルが答案用紙を抱え教室から出ていくと、レイラたちはすぐにいつものように集まった
エース『はーっ、終わった、終わった~!』
デュース『やれるだけのことはやった。後は結果を待つだけだ』
グリム『ぐっふっふ!オレ様にかかればこんなテスト、チョロいんだゾ』
『いつも死にかけな顔するのにみんな自信あり?』