第24章 *閑話カームデイ3 ~クルーウェル+いつメン~*
恐らくあの黒兎の"人を惹き付け従わせる力"というのは、こういう形で発揮されているのだろう
好意を持って近づいてきたやつが匂いを嗅いで欲情する。それを利用して更に自分に気を引かせ、いつしか匂いだけでなく自分自身に惹かれるように仕向けて従わせる
正に魔性の力だ...
俺はまんまとその力の餌食になったわけか...このまま仔兎に惹かれるままにアイツを求め、いつしか良いように利用される
俺だけじゃない...あのいつも一緒にいる仔犬共もだ
だが、悪くないと思っている自分がいる
クルーウェル『許せよ仔兎...』
もう時間だ...戻らないとな
眠るやつの唇にキスを落とし起こさないよう手を抜き取ると、なるべく足音を立てずに俺はオンボロ寮を静かに出ていった
気を抜くなよ仔兎。俺はいつお前の教師から一人の男になるか分からないからな...
放課後・廊下
グリム『っかぁ~...!や~っと終わったんだゾ』
ユウ『帰りに購買で何か買って帰ろうか』
グリム『プリンとか買ってやったらアイツきっと喜ぶんだゾ』
エース『ユウ~、オレらも着いてって良い?』
デュース『レイラの見舞いに僕達も行きたいんだ』
ユウ『うん、勿論。きっとレイラも会いたがってるだろうから喜ぶよ』
エース『サンキュー。んじゃ、まずは見舞い品買い出しね』
オンボロ寮・玄関
ユウ『ただいま~...(小声)寝てるかもしれないからみんな静かにね』
エース『オッケー。そういやレイラは今日飯とかどうしてんの?』
ユウ『朝はバタついてたからあれだったけど、昼に一回戻って来た時はゴースト達が食べさせてくれたみたい』
エース『なら安心だわ』
談話室を抜けて、いつも寝ている部屋へとそっと音を立てずに入ると、ベッドの上で寝息をたてながら眠るレイラの姿があった
ユウ『やっぱり寝てた。あ、でも朝よりだいぶ顔色が良くなってる...良かった』
エース『熱は...ん、下がってるな』
デュース『さすが先生の用意した薬だ。よく効いたんだろう』