第110章 *終曲ディアソムニア*
シルバー『親父殿....ありがとうございます。
レイラ。俺も両親にお前を紹介したいのだが、付き合ってくれるか?』
『ん。私もシルバーさんのママとパパに会いたい』
シルバー『ありがとう』
快く頷いてくれたレイラに礼を言うと、繋がれた手をそのままに銀の梟たちと踊っている夜明けの騎士たちへと連れ出した
マレウス『相手が息子とはいえ、お前が敵に塩を送るとはな。それとも"年の功"とやらから来る余裕、というやつか?』
リリア『なんじゃ藪から棒に。おぬしがレイラをマレノアに報告したいのと同じように、シルバーも大切な人を両親に報告したいんじゃろ。
若者の恋路は応援してやらんとな』
マレウス『応援、だけか?』
リリア『.....勿論応援はするが、譲るとは言っておらんぞ』
マレウス『ふっ..』
かつての右大将を彷彿とさせる好戦的な目つきに自然とマレウスも口角が上がり、愛すべき家族であり強力なライバルの宣戦布告に心を踊らせた
リリア『これはおぬしにも言っておるんじゃぞ、セベク?』
セベク『えっ!?ぼ、僕は決して争うつもりなど...お2人がレイラを想っているのなら、潔く身を退くつもりで、』
リリア『良いのか?おぬしも今回の事で、あの子の優しさや強さに幾度となく救われ、抱えた過去や弱さを知ったことでその手で守りたいと強く思ったはず。最初にあの子を守るよう託した時よりも、その意味や覚悟は変わった筈。
レイラを心から愛しておるのだろう?』
セベク『う、ぅぅ..//』
見透かす瞳に図星をつかれ否定の言葉は出ず、代わりに肯定を意味するように真っ赤に染まった頬で視線をそらした
リリア『己の心に正直になれ。あやつを好いておるじゃろ?』
セベク『...ですが、仕える主君と尊敬する御方と想い人を巡って争うなど..やはり僕には..』
マレウス『なら、その仕える主君から勅命を下そう。今後..いや、今この時より、愛する者への関わりにおいては、僕を含めた誰が相手でも遠慮することは許さない。
レイラの前でだけは、僕たちは平等だ』