第24章 *閑話カームデイ3 ~クルーウェル+いつメン~*
頬に伝わる手袋越しのひんやりとした感触に、レイラの頬が緩む。その顔に内心ホッとしながら、至近距離に見える柔らかい唇に口づけてしまいそうになる自分を抑えながら静かに離れた
クルーウェル『薬を持ってきてやった。ありがたく飲めよ』
そう言いながらレイラの身体をゆっくり起こしてやると、コートのポケットに入れていた薬袋を取り出す
水を持ってこようと立ち上がろうとしたその時、ふとサイドテーブルに水の入ったコップが置かれていることに気づいた
クルーウェル『(あのゴースト達か...)』
『先生...これ、苦い...?』
中から取り出した粉薬のいかにも苦そうな色味にレイラの眉間に皺が寄る
クルーウェル『そうだな。だが効き目は保証するぞ』
『ぅ...苦いの...ゃ』
クルーウェル『ワガママを言うな。治したくはないのか?』
『治したい...けど..』
むぅ...と言いながら、差し出される薬とコップを受け取ろうとしないレイラにあることを思いついたクルーウェルは一度それを下げる
クルーウェル『仔兎、今回だけだ。口を開けろ...飲ませてやる』
『??ぁ...んぅ...』
クルーウェル『ん...』
言われた通りに口を少し開けると、クルーウェルは開封した粉薬と水を口に含むと、レイラの後頭部を片手で押さえると一気に距離をつめ、唇を塞ぐように口づける
舌を使い、薬の溶けた水を流し込んでやると、苦しそうにクルーウェルのコートを握りしめながらも、コクンと少しずつ飲み込んでいった
『ん...く...』
クルーウェル『はぁ...全部飲んだな、偉いぞ』
最後まで飲み込んだのを確認すると、そっと唇を離し涙目で見つめるレイラの頭を撫でながら誉める
『せんせ...』
クルーウェル『っ...なんだその顔は。ウサギの癖にまるで欲情した雌犬のようだぞ...』
クイッと顎を持ち上げながら見下したように言うが、その瞳は静かに熱を持ち揺らめいていた
『ちが...いきなりキス..ビックリしただけ...///』
クルーウェル『お前が飲みたがらないから、俺が手ずから飲ませてやっただけだ。それと...お前、いつもの方も飲んでいないだろう』