第23章 *閑話カームデイ2 ~レオナ~* 注:裏表現
触り方はこの上なく優しいが、それが逆にレオナの興奮を煽っていた
木の下で眠るレイラを見つけたときからレオナには情欲の火種が燃え始めていた。それが今この自分の部屋で二人きり、そして警戒心もなく身体に触れてくるという最高に整えられたシチュエーションで、その火種は業火へとなりつつあった
勿論レイラに対して無体を働く気はないレオナだが、彼女への想いや雄としての本能は留まることを知らず溢れ出てくる
本人はそんな事も知らずに、腕の入れ墨や肩、腹筋に触れて呑気に感心しているのだが
レオナ『(あぁくそ...今すぐにでも)おい、あんまりベタベタ触るな』
『ごめん...じゃあ最後にギュー』
まだ堪能したかったのか、耳を残念そうに垂らしながら素肌のレオナを強く抱きしめる
制服のブレザーはシワになるからとベッドの片隅に置かれているため、白シャツだけのレイラは普段ブレザーによってカバーされている胸の輪郭が強調されていた
それが無遠慮に自身の腹に押し当てられる感覚に全身の毛が逆立つような興奮が走る
『あったかい...』
レオナ『.....』
突然口を閉ざしたままのレオナの纏う雰囲気がガラリと変わった事に気づいたレイラはゆっくりと顔をあげる
『?...レオ、さん?怒ってる?』
レオナ『....』
尚も無言を貫くレオナの瞳は、レイラが愛する宝石から恐ろしい猛獣の瞳へと変わっていて、食われる側の本能が"逃げろ"と警鐘を鳴らしている
『ぁ....』
だが走り出す勇気はなく、ただ一歩ずつ後退りすることしかできなかった。そしてその一歩に合わせるように、ゆっくりとレオナも歩を進めてくる
レオナ『....』
『...わっ...!』
後ろを見ないまま後退りしていたため、すぐ後ろにベッドがあるのに気づかず、最後一歩引いたその足に当たった事でバランスを崩し、ベッドに倒れ込んでしまった
非捕食者にとっては逃げ場の消失、猛獣にとっては最高のキルゾーンである
倒れ込んだのを良いことにレオナは自身もベッドへと上がると、レイラに跨がり顔の横に手をつくと完全に逃げ場を封じた