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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第23章 *閑話カームデイ2 ~レオナ~* 注:裏表現





〔No side〕


その日のレオナは謎の渇きに満ちていた。休日のある日、その謎の渇きを振り払うように学園内を歩き回いていた


部屋にいるとラギーからいつもの小言を聞かされるはめになるので、逃げてきたというのもあるが


特に渇きが癒えるわけでもなく、人通りの少なさを狙って学園周りの庭を歩いていると、大きな巨木の下に見慣れた姿が目に入った


『ん....』


グリム『んがぁぁぁぁ~...』


ユウ『すー....』


レオナ『何やってんだコイツら...』



午後の暖かな風に吹かれながら、オンボロ寮組が全員仲良く寄り添いながら、木に背を凭れて昼寝を楽しんでいた


レオナ『呑気に昼寝なんてしやがって...』


休日とはいえ人が来ないわけでもないこの庭に、レイラ達のような弱い者が無防備に眠っているのがどれだけ危険なのか、レオナは分かっている


ましてや話題の異例の新入生達ともなると色々な理由で狙われてもおかしくはない


特にユウの肩に頭を寄せて眠っている黒ウサギ。今、猛獣の心を惹き付けている当人は二重の意味で狙われてもおかしくはない


レオナ『(まぁ、他のやつらに食われるくらいならその前に俺が食うけどな...)』


静かに足音をたてないように三人に近づくと、レイラの前で膝をつきそっと顔を近づける


レオナ『レイラ...』


声をかけるが身じろぎ1つもせず起きる気配はなく、そのまま頬に手を滑らせながら、親指で柔らかい唇の上をなぞる


『んん...』


さすがに触れられたことで小さく声を漏らす。だがそれでも目は開くことなく、頬に添えられた手の温もりに安心しているのかうっすら笑みを浮かべている


レオナ『ふ...だらしねぇ顔だな』


小馬鹿にしたように笑うが、その瞳は愛おしいという感情で溢れていた


更に身体を寄せコツンと額を合わせると、僅かな距離をゆっくりと縮めていく





『...ん?...レオ...ん...』





途中で長い睫毛が揺れ動き深紅の瞳が開放される。それでもレオナは気にせず唇を重ねて軽く食む


おぼつかない手が宙をさ迷いながらも、レオナの肩に置かれベストを小さく掴む


『ぁ...おはよ...レオさん』


レオナ『随分と無防備じゃねぇか』


『ん....?』





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