第22章 *閑話カームデイ1 ~リドル~*
〔レイラ〕
リドル『さあ、こっちだよ...』
リドルさんに目をつぶるように言われて、おぼつかない足取りで進んでいく。私の手を引いて、転ばないようにゆっくりと歩いていくれるのは良いけど...
『リドルさん?どこまで行くの...?』
リドル『もう少しだよ』
パーティー会場でタルトとミルクティーを完食した後、"見せたいものがあるから"って連れ出されてさっきからこの調子で歩いてる
どこに連れていかれるか不安だけど、聞こえてくるリドルさんの声は凄い楽しそうだから、怖いとこじゃないよね?
『もうすぐ?』
リドル『ああ...よし着いたよ、目をゆっくり開けて見てごらん?』
『!!わぁ....』
そこは一面の色とりどりに咲いた花畑。まるで別の世界に来たみたいで、花の良い香りが風に運ばれて来て全身包まれてるような感覚
『キレイ....』
リドル『気に入ってくれて良かった。ここはハーツラビュルの端にある花畑。たまに一人で考えたい時に来るんだ』
『秘密の場所だね』
リドル『ああ。最後にここをキミに見せたかった』
『良いの?リドルさんのお気に入りじゃ..』
リドル『だからだよ。レイラにボクの好きな場所を知って共有して欲しかった。それに...キミは女性だからこういう所は好きかな、と安易だけど思ったんだ』
照れてるのかな?ちょっとほっぺたが赤くなって、視線を反らされちゃう
でも、私のためにいっぱい考えてくれて嬉しかった。今日のパーティーは全部、私とリドルさんだけの特別なパーティー
お茶会の時でも楽しかったのに、最後にこんなキレイな場所にまで連れてきてもらえて...
『リドルさん、ほんとにありがと。私、もらってばかりだね』
リドル『ボクが望んでやっただけだ。気にすることじゃないよ。キミは今日この日を楽しんでくれれば良いんだ』
『もう少し向こうまで行っても良い?』
リドル『勿論』
リドルさんからのOKをもらって、私は花畑を駆け出した。一面のどこを見ても花がいっぱいで、楽しくなってその場で寝転ぶ
草の匂いと花の匂いを胸いっぱいに吸い込むと、心が解放されたような気がして気持ちいい