第22章 *閑話カームデイ1 ~リドル~*
トレイ『俺だったらダメだったのか?』
『ううん。そうじゃなくて、誰が来たのかちょっと不安だったから』
トレイ『あぁそうか。エース達はリドルの命令で色々忙しいからな。いきなり訪ねて来て悪かった』
『いーよ。トレイさん遊びに来てくれて嬉しい』
そっと抱きつくと、トレイは慣れた手つきでレイラの頭を撫で優しく抱きしめた
トレイ『ありがとな。でも残念だが今日は遊びに来た訳じゃないんだ』
ユウ『レイラにお届け物があるんだって』
トレイ『えっと..あった。これ、うちの寮長からのお手紙』
トレイは寮服の内ポケットから一通の手紙を取り出すと、レイラの手にそっと渡した
『お手紙?リドルさんから...』
トレイ『それと、これな』
次にトレイは、両手に収まるほどの小さな黒い包みを渡した
『これは?』
トレイ『その袋の中身も手紙の内容も、まぁ読んでみてのお楽しみだ。じゃ、確かに渡したぞ。当日会おうな』
そう言うとトレイはレイラから離れると、片手を上げながらオンボロ寮から出ていった
ユウ『当日?何かあるのかな?』
グリム『おいレイラ、早く開けてみるんだゾ!』
談話室に戻りハサミで手紙上部を切り落とし、中身を開けて見てみると、リドルらしい丁寧で上品な文字がズラリと並んでいた
"レイラ・フィリアスへ
突然手紙を送ることを許して欲しい
先日、オーバーブロットを起こして暴走したボクを救ってくれてありがとう。そちらの寮の二人にも感謝している
ボクはキミの事を何も知らないのにも関わらず、酷いことばかり言ってしまった。本当にすまない。あの場でも謝りはしたが、やはりボク自身が自分を許すことが出来ない。なので謝罪と感謝を込めて何かキミにしてあげたいと考えていた
本題に入るが、今週の休日にハーツラビュル寮でお茶会をしようと思っている。"何でもない日"とは全く違う普通の気軽なお茶会だ
ボクとしてはキミと話がしたいから極力一人の参加を望んでいるけれど、もし不安なようならユウを連れてきても構わない
当日はトレイを迎えに行かせるから彼についてくるように
最後に。袋の中身はほんのお礼の品だ。当日付けてきてくれると嬉しい
リドル"