第22章 *閑話カームデイ1 ~リドル~*
1章後
オンボロ寮・談話室
『~♪』
ユウ『ご機嫌だね、レイラ』
『ん...リドルさんとお茶、楽しみ』
ある朝、姿見を前に普段の制服姿に着替えるレイラはいつもより機嫌が良かった
鼻唄混じりにシワや乱れがないことを入念に確認すると、傍らに置かれた一通の手紙に目を向けた
深紅の封蝋にバラの刻印が施されているその手紙は、閉じられている状態でも上品さが滲み出ていた
数日前・オンボロ寮
グリム『うへぇ~今日も疲れたんだゾ...』
ユウ『二人ともお疲れ様。何か飲む?お湯沸かすけど』
グリム『オレ様ホットミルク!』
『私..ミルクティー』
一日の授業を終えて寮へと戻ってきた三人。ユウは、疲れた体をソファーに預けながらグッタリしている二人に声をかけ、リクエストを聞くと真っ直ぐ給湯室へと向かっていった
『グリム..ぎゅーってしていい?』
グリム『ふな?..まぁ、させてやってもいいんだ、ぐえっ!』
言い終わる前にグリムを抱き締めると、モフモフと腹の柔らかい毛に顔を埋めて堪能し始める
グリム『お~いレイラ。オレ様が喋ってんのにいきなり抱き締めるな』
『ん...ふわふわモフモフ』
グリム『コイツ聞いてないんだゾ..』
とは言いつつも、抵抗するわけでもなく好きなようにさせているグリムもまんざらではない様子だった
コンコンコン...
グリム『ん?誰か来たんだゾ』
『エース達かな?』
グリム『でもアイツら今日は寮で何かやることがあるからとか言ってなかったか?』
『じゃあ..誰?』
ユウ『どうしたの?』
『誰か来たの..』
ユウ『ほんと?誰だろ..僕が見てくるね』
万が一を考えてユウが代表して玄関へ向かうと、警戒心を心に秘めたまま小さく扉を開けた
トレイ『よぉ、ユウ』
ユウ『トレイ先輩?どうしてここに』
トレイ『ちょっとしたお届け物だ。レイラいるか?』
ユウ『いますよ、ここじゃあれなんで中にどうぞ』
来客がトレイだと分かり、一安心したユウは大きく扉を開けてトレイを中に通した
『あ、トレイさん...』
グリム『なんだトレイかぁ』