第21章 *終曲サバナクロー*
その後、探しに来たお付きの従者達に引き取られ、チェカは名残惜しそうに帰っていった
エース『んじゃ、俺らもそろそろ帰るか。後はそれぞれ寮で安静にってことだし』
デュース『レイラ、立てるか?ユウも怪我をしてるし、二人共寮まで送っていくぞ?』
『...ありがと』
ユウ『じゃあ、お言葉に甘えようかな』
デュースの手を取り立ち上がろうとするレイラだったが、その表情はどこか浮かないままで、それに気づいたラギーは"ちょっと待ってほしいっす"と引き止める
ジャック『どうしたんすかラギー先輩』
ラギー『あ~!!なんかもうモダモダしてるの嫌なんで、レオナさんとお姫様以外退室っす!』
エース『なんだそれ...あぁ成る程ね』
デュース『どういうことだ?お、おいエース!押すな!』
ユウ『はいはい。さ、グリムも行こうね』
ラギーの思惑がなんなのかを一瞬で理解したエース達は、一人だけできていないデュースの背を押しながら、レイラを置いて保健室を出ていった
レオナ『おいラギー!』
ラギー『あんた放っとくと一生謝りそうにないんで、オレがお膳立てしてやるっすよ』
レオナ『お前...』
『ハイエナさん』
ラギー『なんすか?お姫さ、ふぁ...?な、なにふるんふは?いふぁいっふよ!(な、なにするんすか?痛いっすよ!)』
『ラギさん達が事件起こしたの忘れてないから。悪い子には頬っぺたムニムニの刑...』
ビヨンとグリムにしていたように、近づいてきたラギーの頬を掴み左右に引っ張る
ラギー『ぷはっ!い、意外と力強いっすね...お姫さ...え?今オレの事名前で呼びました?』
『ん...ラギさんって呼んだ』
ラギー『そ、そうっすか...何か、今呼ばれるとムズムズするっすね。ならオレもちゃんと呼ぶっすわ。えっと...レイラ、ちゃん?』
『ん、嬉しい...』
ラギー『っす...///(可愛い...)』
レオナ『ラギー、出るならさっさと行け』
ラギー『ういっす。あ、ちゃんと寮まで送るんすよ?』
レオナ『分かったから早く行け』
手で追い払うようにラギーを退室させると、二人きりの保健室にシンと静寂が流れ、時計の秒針音だけがやけに大きく聞こえる