第111章 *幕間の章*
そそくさと背を向けるイデアを呼び止め、"まだ何か"と言わんばかりに戸惑いがちに振り向く彼に小さく微笑みかける
『いっぱい助けてくれてありがと。お月さまもオルトも、2人のママもパパも、他の人もみんな優しくしてくれて嬉しかった。今度ちゃんとお礼するから』
イデア『別にお礼とかいいよ。こっちも貴重な症例っていうか、事例を経験できて新しい研究ができたからwin-winってことで』
オルト『でもまだ安心できる状態ではないから、油断はせずに何かあればすぐ連絡してね。
あっ、でもどうしてもお礼したいなら、今度イグニハイドに遊びに来てくれると嬉しいな』
イデア『へ?な、なんで?うちの寮に来ても楽しいところなんて..』
オルト『兄さんの部屋があるじゃない』
イデア『あの純潔たるヒロイン氏を拙者の汚部屋に!?全力で御免被りたいんですが!?大体、来たところで何するの?ゲームはヒロイン氏あんまりやらないんでしょ?』
『カチカチするのはあんまり。でも、アズさんたちとしてるのはやってみたい』
イデア『アズール氏とって...もしかしてボドゲのこと?い、いいけどわざわざ拙者の部屋でやる意味なくない?教室とか大食堂でも、なんだったらここでもいいし』
『ーーお月さまのお部屋に行ってみたい』
イデア『........』
期待に光る瞳に見つめられ何とも言えない感情がぐるぐる渦巻く。部屋に入れたくない、でも推しのお願いは聞いてあげたい。言い淀むイデアに畳み掛けるように、不安そうに顔を曇らせるとイエローアンバーの瞳が揺れ動いた
イデア『........く、』
『?』
イデア『来るときは事前に連絡して。部屋の物には勝手に触らず必ず声かけて。それと、大しておもてなしできないから、そのつもりでオネシャス』