第21章 *終曲サバナクロー*
レオナ『分かった。分かったから、耳元で大声出すな。お前、お付きのやつらはどうした?今頃泡食って探してるぞ』
耳元がちょうどチェカの口と同じ高さだからか、自然と耳に声が響くのを鬱陶しげに、チェカの肩を押し遠退かせる
だが言葉の声色は普段のレオナから想像できないほど優しく、一人でここまで来たチェカを心配さえしていた
チェカ『おじたんに早く会いたくてみんな置いてきちゃった。えへへ』
ジャック『え...っと、レオナ先輩の苦悩の種って...』
ユウ『この子ども?』
『可愛い...』
グリム『しかもめちゃくちゃ懐かれてるんだゾ』
レオナ『うるせぇな...じろじろ見てんじゃねぇ!』
チェカ『ねぇねぇ、おじたん!次いつ帰ってくるの?来週?その次?あっ、僕のお手紙読んでくれた?』
大好きな叔父に会えたのが酷く嬉しいのか、グイグイと迫りながらチェカはレオナの腹へと乗り上がる
レオナ『あー、何度も言ったろ。ホリデーには帰...痛っ、おい、腹に乗るな!』
ジャック『レ、レオナ先輩の腹にずかずかと馬乗りに!?』
ラギー『ブッ...あはは!こりゃ大物っすわ。レオナさんが実家に帰りたがらないのこういう事だったんすね』
恐れ知らずにレオナにじゃれつくチェカにジャックは驚き、ラギーは愉快と言わんばかりにケラケラと笑っている
すると、ようやくユウ達に気づいたチェカが不思議そうに丸い目で見つめてくる
チェカ『みんな、おじたんのお友達?』
エース『くくくっ、そーそー。おじたんのオトモダチ。ねー、レオナおじたん!』
ラギー『お、おじたんって...っ!アハハ!いでで、笑ったら傷に響く~~』
レオナ『てめーら笑ってんじゃねぇ!後で覚えてろ...!』
エースが茶化すようにおじたん呼ばわりすると、それに我慢が出来なくなったラギーが腹を抱えて笑うと、レオナ戦とマジフトでの傷が痛みだし、ベッドに転がった
そしてそんな彼らにレオナは牙を剥き出して怒鳴り散らした。そこには若干の照れ隠しのようなものも入っていた
『っ...ふ...あはは...』
レオナ『...』
エース達と共に笑い合うレイラに、レオナはようやく彼女の笑顔が見れた事に、表情にこそ出さなかったが心から安堵した