第21章 *終曲サバナクロー*
コロシアム会場
運動着に着替えたユウ達は、時間と共にフィールドへと入場した。異例のエキシビションマッチということもあって、観客からは大歓声が飛び交い全員興味津々といった様子で試合を見守っていた
レイラは観客席からリドルとトレイに挟まれながら一緒に観戦することになった
『みんな緊張してる...グリムは楽しそうだけど』
トレイ『だな。エース達の顔強ばってるな』
『でも、何か凄く睨んでない?レオさんのこと』
トレイ『まぁそれは仕方ないだろ』
リドル『寧ろ自業自得だね』
『???』
トレイ『にしてもそれ痛くないか?』
『大丈夫...もうなんともない』
トレイ『そうか...あいつが羨ましいな』
そう言うとレイラの腰を抱き寄せ、噛み跡が残るその首筋にそっと口づけた
『ひゃ...トレイさん、なに?』
トレイ『悪い悪い。ちょっとした対抗心、かな?』
エース『おいこらあの人ちゃっかりレイラに手出してんじゃねぇか』
デュース『僕たちが向こうへ行けないのを良いことに...』
ユウ『強敵だ...』
レオナ『ディスクあいつに飛ばしてやろうか』
ラギー『偶然装って軌道変えます?シシシッ!』
ジャック『あんたらな...』
そんなやり取りを経て、いよいよエキシビションマッチがスタートした
前回の屈辱を晴らさんとばかりに、気合いの入ったエース達は、怪我人であるにも関わらずレオナ達に容赦のない攻撃を仕掛けていた
最初にゴールを決めたのはエース達だった。その瞬間歓声が沸き上がり、グリムのテンションも最高潮に登っていた
前半が終わって、若干圧されぎみになったレオナ達だったが、その顔にはまだ何か策があるのか、表情は崩れてはいない
静かに口端を上げたレオナは、ラギーとジャックに静かに指示を回し、試合を再開させた
『レオさん、悪い顔...でも、楽しそう』
トレイ『後半、ここからどうなるかだな』
グリム『見てろ~!オレ様の必殺ロングシュート!!あっ!』
エース『どこぶっ飛ばしてんのオマエ!ってユウ!危ねぇ!』
ユウ『へ?ごふっ...!!』
『あ』
トレイ『あ』