第111章 *幕間の章*
混乱を避けるため他の生徒には他言無用となったおかげで、学園の中は今日も何ら変わりない生活が送られていた
クラスメイトたちには流石にレイラの不在を不思議に思われ所在を尋ねられたが、担任のクルーウェルの配慮もあり、ただの体調不良ということになっている
大食堂では今日も授業のことや部活、趣味や世の中のトレンドなどで盛り上がっていたが、この3日間ユウたちの間にそんな話は一切出ることはなく、話す内容も挨拶や必要最低限の言葉だけ
いつも自分たちの中心にいるはずの姿が欠けたことで、こんなにも気が落ちるのかと改めてレイラの存在の大きさと大切さを痛感した
デュース『もう、3日も経つのか..』
エース『おい』
デュース『あっ..わ、悪い!』
ハッとしてユウを見るとその表情は依然暗いまま、静かにコップの水面をじっと見つめる
すっかり生気をなくしたようになってしまったユウを気遣い、不安にさせるようなことは言わないと決めていたにも関わらず、思わず口にしてしまい、デュースはそんな自分をぶん殴りたくなった
エース『食欲ないのは分かるけどさ、それで今度はお前がぶっ倒れたら、戻ってきたあいつが困るでしょ』
ダンッ!!
『『『!!』』』
だから、と続けようとした言葉を遮るように、握りしめた拳が強くテーブルを叩いた。大きく響いた音に全員肩を震わせる、その音に近くのテーブルに座っていた生徒の視線が集まる
ユウ『...っ、僕が、僕がいけないんだ。辛そうにしてるのも苦しんでるのも知ってて、何もしてあげられなかった。すぐ治るだろうって高を括って、見てることしかしなかった。
それが、あんな、あんなことになるなんて..っ』
真っ黒な液体が広がった床の上で、必死に名を呼ぶマレウスの腕に抱かれたレイラの姿が、目を閉じれば今も鮮明に浮かぶ絶望的な光景に、さらなる不安が押し寄せ自身の髪をぐしゃっと掴んだ
ユウ『こうなる前にオルトの言う通り、無理矢理にでも病院に連れて行けば良かった。一番近くにいたのに、誰よりもあの子を見てきたのに...っ!!なんで何もしなかったんだよ!』