第21章 *終曲サバナクロー*
ジャミル『いいや、許す訳じゃない』
トレイ『サバナクロー寮に欠場されると、気兼ねなく仕返しできないからな』
ラギー『え、ええっ!?』
ジャック『仕返しだと!?』
リドル『学園内で魔法による私闘は禁止されているからね』
トレイ『マジカルシフトなら、れっきとしたスポーツだろ?ただし、別名・魔法力を全開に戦うフィールドの格闘技...だけどな』
トレイの言葉を皮切りに事件の被害者達が次々に、大会でサバナクロー寮への仕返しを楽しそうに語り始めた
ジャミル『何があったかは知らないが、サバナクロー寮生の方が俺達よりボロボロみたいだしな』
トレイ『犯人が誰か分かった以上、寧ろ俺達が恨みを晴らすのにマジカルシフト大会は好都合、ってこと』
『トレイさん...良い性格してる。凄い悪い顔だけど』
トレイ『お前はお前で後で説教な?ウチに来るってちょっと楽しみだったのに来ないわ、犯人の巣窟に一人で向かうわで、俺達がどれだけ心配したと思ってるんだ?』
リドルの腕に抱かれるレイラの額を軽く小突くと、ぁぅっ!と小さく声が上がる
ケイト『レオナくん、前に自分でも言ってたじゃん?試合中の攻撃は校則違反じゃないって』
リドル『伝統ある試合を私怨を晴らすだなんて、普段なら首をはねてしまいたいところだけど...トレイ達がどうしても言うからね、今回は目を瞑ろう』
学園長『君達の気持ちは分かりました。しかし、この状態でサバナクロー寮生達が試合に出られるかどうか。特にキングスカラーくんは立っているのもやっとの状態では?』
レオナ『ふ...ふ、ははは!ナメるなよ、クロウリー。手負いの草食動物を仕留めるなんて、昼寝しながらだって出来る』
ジャミル『言ってくれるな』
レオナ『俺は謝るつもりは毛頭ないぜ。この俺に謝らせたいやつは力尽くで謝らせてみろ』
レオナはオーバーブロット後だと言うのに関わらず、いつも通りの含みのある笑みで立ち上がり、トレイ達と対峙する
トレイ『ってわけで、学園長。いいですよね?』
学園長『まったく。感動的な話かと思って期待した私が馬鹿でした。いいでしょう、予定通りサバナクロー寮の大会出場を許可します』