第21章 *終曲サバナクロー*
グリム『やったー!起きた!ずっと気絶したままだったらどうしようかと思ったんだゾ!さあ、早く今までの事件は自分が企てましたと自白しろ』
レオナ『なに...なんだって?』
学園長『キングスカラーくん。貴方はブロットの負のエネルギーに取り込まれて暴走し、オーバーブロットしてしまったのです』
覚えていませんか?と問いかけるクロウリーの言葉に、レオナは信じられないと頭を押さえながら、上半身を起こした
レオナ『この俺が暴走して...オーバーブロット?嘘だろ...』
グリム『そんなことより、マジカルシフト大会がもう始まっちまう。オマエが自白してくれねーと、オレ達がご褒美に試合に出してもらえねぇんだゾ!』
レオナ『あぁ...?なんだそりゃ?』
ジャック『こいつら、学園長にマジカルシフト大会に出してもらうことを条件に先輩達を追ってたんす』
ラギー『えぇ?そ、そんな事のためにっすか?』
グリム『そんな事ぉ!?だったらオマエらだってそんな事のために怪我人まで出してたんだゾ』
ラギー『うっ。そ、それは...そうっすけど』
学園長『今までの連続傷害事件は君たちがやっていた、ということで間違いありませんね?』
レオナはこの問いにもう隠すことなく、静かに全てを肯定した。サバナクロー寮はこれから始まるマジフト大会において失格とし、処罰は被害者と相談した上で、となった
この宣告にレオナは素直に頷いていたがその瞳は悲しげに揺れ、傍らで見ていたラギーとジャックは複雑な気持ちで見つめていた
リドル『学園長、待ってください』
学園長『ローズハートくん?それに...みなさんは、確か』
リドルの呼び掛けに振り向いたクロウリーの目には、リドルとその後ろに被害者であるトレイとジャミルの姿があった。更にその後ろからは、他の被害者もゾロゾロと集結している
リドル『はい、彼は今回の事件の被害者です』
トレイ『学園長、俺達被害者全員からお願いがあります。今回の大会、どうかサバナクロー寮を失格にせず出場させてくれませんか』
学園長『なんですって?つまり...彼らを許すと?』
思いがけない言葉に、ラギー達サバナクロー寮生はジンと心に響くものを感じた
だが次の瞬間、被害者全員の顔が黒い笑みへと変わる