第110章 *終曲ディアソムニア*
『ぁ..』
"わたくしが戻ったら覚悟をしておけよ。お前の首に枷をつけて一生飼ってやる"
夢の中で別れの最後に彼女から放たれた言葉と共に、あの時と同じように首筋を撫でられたことを思い出す
『どうして?だって貴女は夢の中のお姫様じゃないはずなのに..
でも、もしこれが本当だったらすごく嬉しい。あの時はすぐお別れになっちゃって、全然お話できなかったから。今はもう声は聞けないけど、私の気持ちを届けることはできるよね。
あの時ツノ太郎を守るために戦ってくれてありがと。私たちを助けてくれてありがと』
叶わないことだと分かっていても、触れられるならその体に抱きついて甘えたい。それこそ不敬だと激しい雷撃が落ちるだろうなと小さく笑い、首に添えられた手に自身のを重ねる
当然すり抜けるだけだったが、重ねた手に伝わった僅かな温もりが感じられれば、今はこれだけで十分だった
『ありがとう、お姫様』
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マレウス『お母様との一曲はどうだった?』
『楽しかった。私ね、さっきお姫様に言ったの。いつか貴女みたいな人になりたいって。そしたら優しいお顔で笑ってくれたの』
マレウス『そうか。お前と話ができて、お母様もきっと喜んでいるだろう』
リリア『.....』
『リィさん?難しいお顔してるけど、どうしたの?』
リリア『..いや、なんでもない。少し考え事をな。それにしても、こちら(現実)では面識はないはずだというのに、まるで夢で会ったことを覚えているような雰囲気じゃったな』
『あのお姫様、たぶん夢の中のあの人と同じだと思う』
『『『えっ?』』』
『さっき首を触られたんだけど、夢でお別れする時もされたの。私の話だって覚えてるようなお顔で聞いてくれてたの』
セベク『待て。たしか僕たちが夢の中で過去に干渉しようと、本来の歴史には影響しないはずではなかったか?』
シルバー『ああ。だが何故かこの場にいるマレノア様にはその時の記憶がある、と..』