第110章 *終曲ディアソムニア*
そんなことを言われては、恐ろしさで足が小鹿のように震えだし、ダンスの誘いに躊躇してしまう
なかなか応じてこないレイラに業を煮やしたのか、マレノアは1人歩き出して行ってしまい、レイラは慌ててその後を追いかけていった
『わっ!ま、待って、お姫さ..わわわぁぁ〜!』
それを待っていたかのように追いかけてきた手をサッと取り、そのままステップを踏み始めた。突然のことに困惑の悲鳴を上げながら、なんとかついていこうとする姿に、リリアは抑えきれない笑い声をあげた
リリア『はっはっは!見事に振り回されておる。見よ、レイラのあの慌てた顔を。くふふ..』
シルバー『親父殿..』
セベク『ああ..っ!あんなバタバタの足運びで大丈夫なのか?レイラめ、うっかりにでもマレノア様の足を踏んだりしないだろうな』
リリア『あれはあくまで城の記憶。本物ならまだしも、今のあやつにそんな力はない。足を踏んだとてすり抜けるだけで何も起こりはせんよ。
(..しかし変だな。わしのユニーク魔法で出現させた城の記憶なら、あそこまで意思疎通や自我はないはずだが........いや、まさか、な?)』
マレノアの強引なダンスの誘いに翻弄されながら、足元に注意してステップを踏んでいく。必死な自分とは対照的に、余裕の笑みで優雅に踊るマレノアを素直にすごいと思いながら、ずっと聞きたかったあることについて問いかける
『..お姫様、聞きたいことがあるの。あの時眠ってた私を起こしてくれたのは、やっぱり貴女?ツノ太郎たちのところに行く道を作ってくれたのも、お姫様なの?』
マレノア『....』
『(お返事してくれない。でもすごく優しいお顔で笑ってくれてる)』
まるで卵のマレウスを抱いていたときのような慈愛に満ちた笑みは、レイラの心を温め優しく解していく
そのおかげか、たどたどしかった足運びもいつしか流れるようなステップとなり、2人の美しいダンスに周りは釘付けになっていた
?『なんか、あそこだけ世界違くないか?』
?『分かる。異様に輝いて見えるわ』
?『なんて美しい..』