第20章 *強襲ファング*
レオナの猛攻がレイラ達を追い詰め始めていた。複数で相手しているにも関わらず、まるで関係ないと言わんばかりに化身を素早く動かしては、リドル達が放つ魔法をことごとく斬擊やその身のこなしで相殺、かわしていた
繰り出される斬擊の嵐についには避けるのに精一杯という状況になっていた
ジャック『くっ...強い!こんな強ぇくせに、何であんたは全部諦めちまったんだ...っ!』
レオナ『うぜぇんだよ、どいつもこいつも...全部砂になっちまえ!!!』
ガアアアッアアアッ!!
レオナと化身の猛々しい咆哮が更に強さを増し、負のエネルギーの上昇が急激になり始める
『ダメ!レオさん!!』
ユウ『レイラ!近づいちゃダメだ!』
ユウの言葉は届かないまま、レイラはレオナの目の前へと走っていく
『お願い...もうやめて!このままじゃ...レオさん、死んじゃうよ!』
ただレオナを助けたいという一心で必死に訴えかける。だが彼にとっては怒りを底上げする目障りな声でしかなかった
レオナ『うるせぇな...!俺に指図するんじゃねぇ!!』
レオナの手が勢いよく伸ばされ、レイラの眼前まで迫っていく
『ママ...これ、なに?』
?『これは氷彫刻って言って、氷を削ったりして色々な形を表現するのよ?』
『ウサギさんもある...』
?『本当、可愛いわね。まるでレイラみたい』
『氷、凄くキレイ...』
?『ママもそう思うわ。氷ってキラキラしてて透き通ってて、悪いものを閉じ込める力があるみたい』
『悪いもの?』
?『泡とかお魚とかが閉じ込められてる氷を見たことがあるでしょ?あれを見てママは、氷には悪いものを凍らせて閉じ込める力があるって思ってるの』
『悪いものを...閉じ込める...』
?『お魚が悪いものって訳じゃないんだけどね』
『ママ、そんな魔法があったら...良い?』
?『ええそうね...そんな魔法があったら、きっと大切な人達を守れるかもしれないから』
パキパキパキッ!!!!
レオナ『なっ...!』
『大切な人達を、守れる力...』
ユウ『あれって...』
リドル『氷魔法...』