第20章 *強襲ファング*
予想外の登場に睡眠薬の事情を知っている二人は、ありえないと言わんばかりに驚愕した
レオナ『何しに来やがったレイラ...!』
『ハイエナさんを攻撃した理由は分からないけど、貴方が悪い事してるのは分かってる。だから..貴方を止めに来た』
レオナ『生意気言ってんじゃねぇ...!ああクソが...っ!ライオンであるこの俺に、首輪だと...!?ジャック!テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬、どこで手にいれた?』
ジャック『"月夜を破る遠吠え!(アンリイッシュ・ビースト)"!身体を狼に変化させる、俺のユニーク魔法だ!』
レオナ『は...魔法で本物の犬ッコロになれるって?そいつぁユニークだ、本当にな!』
ジャック『レオナ先輩...俺は...俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたは、どこに行っちまったんだ!』
レオナ『勝手に俺に夢見てんじゃねぇ...うぜぇな...』
ジャックの必死の叫びにレオナはフイッと視線反らした。その瞳には寂しさと苦痛が入り交じっていた
リドル『ボクも人の事を言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに耐えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすと良い!』
レオナ『...お前らに何が分かる?兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねぇよ...』
リリア『フン。お主のような男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。サバンナの王者が聞いて呆れるわ』
今回のユウ達の作戦に賛同し、共に動いていたリリアが呆れ混じりに口を開いた
レオナ『あぁ!?』
リリア『お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いているようだが...報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。自分を慕い、間違いを正そうとしてくれた愛らしい花さえも裏切り踏み潰す非情さ』
チラッと横目でレイラを映すと、レオナに対し吐き捨てるように言い放った
リリア『その程度の器で王になろうなどと...我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。例えマレウスを倒したとて、その腐った心根を捨てぬ限り...お主は真の王にはなれんだろうよ!』