第20章 *強襲ファング*
レオナ『秀才だかなんだか知らねぇが、年上をナメるなよ。生憎、俺は防衛魔法の成績が良いんだ』
リドル『くっ!』
レオナ『はは!どうだ、ラギー。苦しいかよ。口の中が乾いちまって、お得意のおべっかも使えねぇか?』
ラギー『ひぐっ...うぅっ...』
ジャック『まずい、あのままじゃラギー先輩が!』
今にも渇ききってしまいそうなラギーに本気で命の危機を感じ、ユウ達は力ずくでもとレオナに戦いを挑んだ。だが、魔法の扱いが非常に長けているレオナ相手に、流石のリドルでも決定打を与えられないでいた
リドル『それほどの力があって、何故こんなことをする!』
レオナ『何故..?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?実力があったって、努力したってどうしようもねぇ事がこの世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出ねぇ。可哀想に、憐れだよなぁ...』
ラギー『はぅ..っ..ぐ...』
『ダメ...もう見てられない...』
ハラハラとした気持ちを押さえきれずに、レイラはユウ達のいる所まで走りながら、マジカルペンを構え大きく振るった
同時にジャックが自身のユニーク魔法、"月夜を破る遠吠え(アンリイッシュ・ビースト)"を発動し、巨大な銀毛の狼へと姿を変えた
レイラの闇の手がレオナの腕を掴み、巨大狼化したジャックの飛びかかりに一瞬の隙が生まれる
その瞬間をリドルは見逃さず、ユニーク魔法を発動して対抗される前にレオナの魔法を封じることに成功した
ラギー『がはっ!ゲホゲホッ...!』
魔法が封じられた事と動揺によってレオナは手を離し、ラギーの渇きの進行が止まり地面に崩れ落ちた
ユウ『今の手って...まさか!』
『ユウ!みんな!』
『『『レイラ!!』』』
『ハイエナさん...大丈夫?』
レイラはユウ達の間を抜け、解放されて咳き込んでいるラギーの元へと駆け寄ると、ラギーに肩を貸しながら急いでレオナから距離を置いた
ラギー『ゲッホッ...!あ...お姫様...なんで』
レオナ『レイラ...?何でもう目が覚めてやがる。まさか..いや、あのタコ野郎が手を抜くわけがねぇ』