第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
数分おきに送られてくる画像には、作業に負われるイデアの焦り顔、そして何枚目かにはリドルの顔もはっきりと映り込むようになっていた
時間を経ていくと、2人が画面外の何かに怯えているような表情も送られ、その次に来た画像には空中に浮かせた大量の本を開き、リドルがペンで必死に何かを書いている様子も映っていた
オルト『大変だ!画像には映ってはいないけど、恐らくマレウスさんが魔導障壁に干渉しているんだ!兄さん1人じゃ圧倒的に手が足りない..対処しきれないよ!』
ケイト『リドルくんが何かを書いてる..?あれってなにしてるの?』
オルト『.....はっ!もしかして、あの本は..』
トレイ『オルト?』
オルト『あれは兄さんの部屋にある"スペルフォージ基本操作マニュアル"と"魔導エンジニアリング入門"..それに"プロンプトと基礎術式"。魔導プログラミングの参考書だ。
まさか兄さん..リドルさんにあの参考書を読ませて防御システムのケアをさせるつもり!?』
ケイト『ええっ!?あの本って見た感じ、1冊1冊がちょ〜分厚いじゃん!それをあの状況で1から勉強して即実践!?』
エース『いくら寮長が勉強できるってったって、無茶にもほどがあんでしょ..』
デュース『でも、あのローズハート寮長なら出来そうな気がするのは僕だけか?』
トレイ『いや、俺もそう思うよ。あいつなら、テンパりながらあの本の山を必死に頭に詰め込んで、何が何でも自分のものにしていくはずだ』
心配と期待で見守ること数分後、ようやく届いた画像にはまだ防衛し続けるリドルと、反対側でチートツール作成に勤しむイデアの姿があった
まだ続いている、ということは防衛はまだ出来ていると同義。普段から810条もあるハートの女王の法律を覚え、守っているリドルの圧倒的勉強能力が功を奏し、回数を重ねるごとにその練度が上げ、強大な魔法士マレウスの侵攻と渡り合っている証拠だった
ユウ『すごいなあの人。いついつまた仕掛けてくるかわからない状況で、よくあの分厚い本から殆ど知らない分野を1から覚えていけるな』
『(リドルさん、お月さま...2人とも、頑張って...負けないで)』