第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
シルバー『先程も言ったが、今後何かに悩んだり思うことがあるのなら、迷わずに打ち明けてほしい。今までに見た不安そうな、思い詰めたような表情はやはり危ういものがある。
勿論全て話せるというわけではないだろうが、少しでもその不安が取り除かれるなら、俺たちにぶつけてほしいんだ』
真剣な瞳に真っ直ぐ見つめられ、一瞬言葉を失う。抱えているものなど星の数ほどあるが、それを打ち明けるべきかどうかはまだすぐには頷けなかった
それでも、自分を心配して思いを寄せてくれる彼の優しさだけはしっかりと受け取らなくてはと、困ったように笑いながら目の前の体に頬を寄せた
『ん...ありがと』
シルバー『(またこの顔だ。無理をしているときは必ずこの顔をして話を切り上げようとする。
俺ではまだ、お前の抱えるものを背負わせてくれないのか...)』
とはいえ無理やり聞き出していいものではなく、今はレイラが腕の中にいて甘えてくれていることを甘受し、これ以上の詮索をすることはなかった
シルバー『そろそろ戻ろうか。日差しがあるとはいえ、長時間冷たい海に浸かっていては体に良くない』
『ん』
波打ち際まで戻ると、以前ここでケイトがしたように水魔法と風魔法で互いの足を綺麗にして、他の面々が眠る木陰へと歩いていく。レイラをオルトの隣に横にさせると、夜空のような黒髪を撫でて寝かしつけるように囁く
シルバー『お前もたくさん疲れただろう。オルト同様、しっかり休んでこの先の戦いに備えるんだ』
『ん...』
シルバー『おやすみ、レイラ』
『..おや、すみ。んぅ..シル、バ..さ..』
先程まで目が冴えていたのに、頭への愛撫と心地のいい自然の音も相まってまたすぐに眠気が押し寄せる。閉じていく瞼に柔らかいものが触れ、それがなんなのか分かる前に意識はぷっつりと途絶えた