第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
数分後
ザァァァ...
穏やかな波の音が耳に心地よく届き、意識がゆっくりと浮上していく。目を開けるとオルトの寝顔が目の前に飛び込み、上半身を起こして周りを見てみればまだ誰も起きている様子はなく、眠ってからそこまで時間が経っていないことがわかった
『....ん』
ぼんやりとした頭のまま目を閉じれば、寄せて返す波の音、風に揺れるヤシの木の擦れる音、ジャングルの奥地から聞こえる鳥の囀り
自然が奏でる音に息を吐いてボーっと目の前の海を眺めていると、太陽の煌めきを反射して輝く水面がまるで誘うように揺れる
『海、キラキラ...』
美しい煌めきに誘われ近づいていくと、日差しの下に出たことで照りつける暑さに汗がにじみ、汗が1つポタリと溢れる
『あつい...海に入ったら気持ちよさそう』
あまりの暑さに制服のブレザーに手をかけると、脱ぎ揃えた靴の上に畳んで被せて置いていく。そのままちゃぷりと片足を海へとつけると、冷えた海水が一瞬ツンとしてすぐに気持ちのいい冷たさへと変わる
両足をつけて歩いていくと、前に来たときには行くのを許されなかった膝の高さの深さまで進み、より近づいた透明な海との距離に少しだけ心が躍る
『気持ちいい..綺麗......少し、体が楽かも。
でも...もっとちゃんとしないと。次は役に立って、みんなでこの夢から醒めるんだから』
ふわりと風が髪を靡かせ、それを手で軽く押さえながら遠くの地平線を見つめながら、ここからも続くであろう戦いにもう一度自分に喝を入れる