第19章 *叛逆ビギニング*
ラギー『ハァ..ハァ..でも流石にキツい..っけど、ここで決めれば、オレたちは..っ!さあ一般人に向けて魔法撃てるっすか?妖精族の王子様であるマレウス様は、使いたくても使えないっすよね?
さあ、潰されちまえ!シシシッ!』
校内アナウンスが観客たちに静止を、ディアソムニア寮に退避の指示を大声で伝えるが、観客達の暴走の群れは止まることなくディアソムニア寮の選手団の方へと無情にも押し寄せた
?『まずい、このままでは群衆に押し潰される!マレウス様をお守りしろ!』
?『マレウス様こちらへ、マレウス様ー!!ぐわ~!間に合わない!押し潰されるぅううう~!!!』
?『ああ~~~っ!マレウス様~~!!』
ディアソムニア寮の寮生であろう声が響き渡り、その声を聞き付けたラギーは勝利を確信し、急いで寮へと戻っていった
ラギー『やった...大成功っす!』
〔レイラ〕
真っ暗な世界...夢...ううん、ここは多分
[ダイセイカイだよ。ナカナカキミモ察しがヨクナッテキタネぇ]
『私は...なんでまたここに...何があったんだっけ?』
[オヤオや、オボエテないのかイ?キミはアノライオンニダマサれていたんだよ?]
『あぁ...そっか...レオさんのところで...』
[カワイソウニ...アレダけキミニ気をモタセテオイテ、ソレガスベテエンギだったなンテ]
"...馬鹿だなお前は。俺はお前のこと好きでもなんでもねぇよ"
あの人から告げられた言葉が胸に深く刺さる。苦しいよ...痛いよ...
『...ふ...っ...ぁ...ぅぁぁぁっ!』
涙がこぼれ落ちて止まらない
レオさん達が事件の犯人だったって事実よりも、大好きな人にあんな冷たい目で突き放されたのが何より悲しかった
あんなに優しく抱き締めて、頭を撫でてくれて、キスしてくれたことも、全部嘘だったの?
ただの都合の良い道具にするために私を騙してたの...?
こんな風に泣きじゃくってる時にいつも私を包み込んでくれたあの人はいない
大丈夫だよって言ってくれるユウ達もいない
今の私は...一人だ...
[アア、カワイソウ...カワイソウ...本トウニ可哀想。哀れなアワレナウサギちゃン]