第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
その瞬間、背筋に冷たいものが走り、思わず息がヒュッと音を立てた。先程から感じていた違和感の正体がその顔をハッキリと見せた
今までなら、どんなに傷ついていてもヘトヘトでも、覚醒した大好きな人たちにはいの一番に会いたがって歩いていくはずのレイラが、たった今見せたのは紛れもなく心からの拒絶
それは温度のない言葉
負の感情から紡がれた言葉が一種の恐怖としてゾッとするような寒気を与え、ユウは経験したこともない感覚に身を震わせた
それでも抱きしめた体を離すことなく、寧ろ少しだけ力を強めて冷えた肌を温めるようにその隙間を埋めていく
ユウ『....うん。うん、いいよ。無理して会いに行かなくていい。それより、今は少しでも休んでようね。
たくさん、たくさん頑張ったんだもんね。本当にすごいよレイラは。こんなに傷だらけになりながら最後までよく戦ったね。
後は僕が運んであげるから、次の準備が終わるまでここでゆっくりしてようか』
『........ん』
完全に力を抜いたことでかかる体の重みをしっかり受け止めながら、傷に触れないように確認しながら、乱れた黒髪を優しく撫でていった
シルバー『そういえば、先程からレイラとユウの姿が見えないが..』
オルト『2人ならさっきまで隠れてた生け垣の近くにいるはずだよ。ほら、あそこだよ』
エース『おーい!レイラー、ユウー...って、なにやってんだあいつら?』
グリム『まーた2人でベタベタイチャイチャしてんのか?まったく、相変わらずなんだゾ』
デュース『もしかしてあいつ、寝ちまったんじゃないのか!?』
セベク『その可能性は大いにある。あいつはどんなところでもすぐ眠れるからな。いつもなら"鍛錬が足りん"と言ってやるところだが..今までよりもかなり激しい戦いだった。今回はそっとしておいてやろう』
シルバー『(よほど疲れてしまったんだな..無理もない。
だがなんだ、この胸騒ぎは?)』