第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
『(なんで今それを思い出すの...やめて、やめて、ちがう!リドルさんは、ほんとのリドルさんは....そんなこと)』
[本当二?現実の彼は本当にそんなこと言わない、なんて思ってるのかナ?ほラ、彼が君にぶつけた言葉をもっと聞かせてあげようカ?]
『(やめて、思い出させないで。あの人は優しい人だから..あれは闇のせいでおかしくなっただけで..)』
[嘘だヨ。深く植え付けられた偏見は簡単に消えなイ。彼は今でも君のことを醜悪で穢れた化け物だと思ってるサ。
だってここは欲望だらけの"幸せ"な夢の中。みんなの本音や本性を沢山見て聞いてきただロ?彼の言葉は間違いなく本音だヨ]
『(ちがう....ちがう...誰かわかんないけど、私の中で勝手なこと言わないで!!)』
[彼がキミに優しくてしていたのは、いつかこんな風に絶望に叩き落として、大嫌いなキミを傷つけたいからダ。キミを愛してるわけじゃなイ]
『(ちがう)』
[他のみんなだってそうサ。誰もキミを愛してなんかなイ。与えられる優しさは全部偽物なんだかラ。
その証拠に見てご覧ヨ。だーれも苦しんでるキミのことなんか見てないじゃないカ]
『!!!』
ハッとして顔をあげると、リドルたちもエースやデュースもシルバーたちも、誰一人として離れた場所で座り込む己を心配し駆け寄ることなく、こちらを見もせず笑い合っていた
その瞬間、彼らとの心の距離さえも遠くなっていく感覚に陥り、深紅の瞳から輝きが失われくすんだ色へと塗り替えられていく
『(ぁ...ぁ...)』
[可哀想にネェ..長い戦いに散々苦しめられて、闇の穢れや淀みからみんなを守るために、肩代わりとなって一心に受け続け、何もかも傷だらけになったっていうの二。誰も理解しないし助けてもくれなイ。
所詮キミもボクも、世界から嫌われた化け物なんだヨ』
『(...みんな...わたし..わたしを..
わたしを、みて...)』